望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

手前味噌な落語の話なのですが

2017-11-06 15:55:11 | 暮らし・花・趣味

先日、学生たちの落語会がありまして、
当然、行ってきたのですが、

トリをとったのが、
2年続けて学生落語の全国3位になったと、
このブログでも大騒ぎをした、あの4年生の女子。

学校での最後の高座ということで、
「芝浜」をかけてきました。


この「芝浜」という噺、
人情噺の大ネタで、一席で30分はかかろうというもの。

ほとんど笑いもなく、
普通、学生が選ぶ噺じゃないし、
素人に手が出るシロモノじゃないんです。

いや、プロだって、
志ん朝、談志といった、そうそうたる名人上手の高座が、
伝説の話芸のように語り継がれている噺だから、
たぶん、やりにくいんじゃないかなぁ。


そんな噺に、彼女は素人の分際で挑んだわけですが、
心配はしていませんでした。

稽古でも1度聴いていて、
ちゃんとこなせるのはわかっていたので、
気楽に客席にいたのですが、


 なんと・・・、

  話が進むうちに、 

    私、涙があふれてきたんです。


もう、イヤというほど聴いていて、
台詞だってかなり頭に入っているような噺なのに。


  え?どうして?


自分でもびっくりしました。

稽古よりも一段とよくなった彼女の出来に感動して、じゃないんです。

本当に噺を聴いてて、感動して泣けてきた。

ふと横を見ると、隣の若い女の子2人も、ボロボロ泣いている。


なぜなんだろう。

だって、どんな名人たちの「芝浜」を聴いたときでも、

素晴らしいとは感動しても、
泣いたことなどなかった私が、

彼女の「芝浜」で泣いてしまった。

いくら巧いといっても、素人の学生の「芝浜」で泣いてしまった。


なぜだろう・・・と、この数日、ずっと考えていたんです。

で、今、ふっと思いついた。

彼女の台詞に嘘がなかった。
だから、まっすぐ我々に届いたんじゃないだろうか、と。

技術は絶対に必要だけど、
それだけじゃなくて、

素人ならばこそのシンプルな思いを、
まっすぐ台詞にのせられたんじゃないだろうか。


こんな話になると、つい芝居の方に話が行っちゃうんですが、

嘘がない言葉、って、本当に強いんです。


いや、もちろん、
落語にしても芝居にしても、すべて嘘で成り立っています。

でも、それを嘘と思わせず、お客様に届けるのは、

台詞を発したときの思いに、嘘がないか、
というところにかかっていると私は思っています。


嘘をつかずに演じるというのも、当然、ひとつの技術です。

だけど、プロが技術として、嘘のない演技を(落語を)しているのと、

学生の彼女が、もっと、シンプルというか、ピュアなところで、
嘘のない台詞を出しているのとでは、
なにか、違う気がしたんですね。


・・・って、わかりにくくてごめんなさい

もう、笑っちゃうほど忙しいのに、
何を語っているのやら(笑)


でも、なにか書き留めておきたかったので。

お付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m



さぁさぁさぁ、今度は自分の稽古じゃ!

 夕食も作った!

  他の仕事も片付いた!

   よっしゃ、いざ、アメリカの片田舎へ!






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