ニコ、別れ

　これは、と思ってした動きがみんなを驚かせてしまったようで、すれ違うたびに「大丈夫？」と訊かれてしまいました。クレベーフはいつものごとく「どうしてああいうことがとっさにできるの。」と。「二回目もやって欲しい。」と。もちろん私はやりたくないです。

　クリエイションからのアーティストがまた去ることになりました。ニコラ。クーンと一緒に日本に遊びに来て、実家に泊まり、数日間を過ごした仲間です。
　ニコには何度も車の運転を教えてもらいました。どこで調べたのか日本語で『運転本』を作ってくれたり、ミニカーを持ってきて丁寧に指導してくれました。
　怪我をしては復帰をし、また怪我をしては復帰をし、と繰り返していたニコ、グリーンカードも取れたようで、違う道を歩む決心がついたようです。手首の怪我が治らないまま辞めることを決めたので、最後の舞台を意識して一緒に踏むことはできませんでした。淋しい別れです。

　今晩はいつもの居酒屋で集まる予定が、ガスの故障でお店が閉店になってしまいました。他のお店に行くことになるかと思っていると、今日集まるということよりも、その居酒屋に行くことが大事なようで、来週に延期になりました。本当にみんなここが好きです。
　私はこの夕食に、帰国間近の友達夫婦を誘うつもりでいました。ＫＡの仲間では集まらないことになりましたが、彼らとは一緒にご飯を食べました。お二人には本当に仲良くしてもらい、楽しませて頂きました。今日はＫＡの仲間の中でではなく、最後の晩餐をお二人とゆっくりできたので良かったのかもしれません。
　引越しギリギリまで行っていた研究を終え、ラスベガスで観光客となったご主人の顔つきは変わっていました。帰国までの数日間、お二人でゆっくりと人生の休日を過ごせますように。

　このところ続く友達との別れは、これで一区切りのはずです…。