勉強が予定よりも早く終わると、保護者の方はつい、「そんなに早く終わるのだったら、もう少しほかのこともやっておこう」と言ってしまいます。しかし、それは余りよいことではありません。お子さんは、自分なりに、与えられた課題を早く仕上げて、お母さんに褒めてもらいたい、又は、早く勉強を終えて遊びに行きたいと思っています。
ところが、早く終わったことによって、その早く終わったことに対する罰であるかのように、新 . . . 本文を読む
少し手前味噌の内容にもなるのですが、あまりにもうれしいのでここにご紹介します。
先日ひとりの生徒が学校で使っている日記帳を持参して、あるページを開いて読んでといいます。読んでいると涙が出てきて困ってしまいました。彼は小学2年生ですから、凝った表現や殊更難しい言葉を使って書いているわけではありません。しかし、彼のその時の心情が彼の優しい心とともに手に取るように伝わってきます。私たちが忘れている何か . . . 本文を読む
宋人有閔其苗之不長而揠之者。
芒芒然帰、謂其人曰、「今日病矣。予助苗長矣。」
其子趨而往視之、苗則槁矣。(出典『孟子』公孫丑上)■書き下し文宋人に其の苗の長ぜざるを閔(うれ)へて之を揠(ぬ)く者有り。
芒芒然として帰り、其の人に謂ひて曰はく、「今日病(つか)れたり。予苗を助けて長ぜしむ。」と。
其の子趨(はし)りて往き之を視るに、苗則ち槁(か)れたり。
■口語 . . . 本文を読む
小学校高学年の保護者の方からときどき質問されるのが、記述問題の学習の仕方です。塾の模擬試験などを受けると、記述問題の答えは一応書けているが小さな減点のあることが多く、親がどういうふうに説明していいかわからないというのです。しかし、これは、実は採点している人もよくわかっていないことが多いのです。模擬試験の記述問題の採点や小論文の採点は、かなり割り引いて考える必要があります。
高校生の場合、入試直前 . . . 本文を読む
先日は、某中学校高等学校の対塾説明会でした。そんなに多くの生徒がお世話になっているわけではありませんが、一応、毎回お伺いしています。この毎回というところに実は小さくない意味があります。俗にいうところの定点観測とでも申しましょうか。さしずめ、昭和新山に対する三松正夫郵便局長のようなものか。イヤそんなにかっこよくはないな。
学校も生き物で、経済情勢・社会状況、はたまた他校との関係などで、いつも変化し . . . 本文を読む
国語の学習の大切な部分に論理的な文章を書く力をつけるということがあります。例えば、長文を読んでその意見文を書くということなどです。ここでは、この事例について、書き方を少しお話ししたいと思います。第1点は要約の仕方、第2点は実例の記述方法です。
まず、要約の仕方は次の通りです。
1、長文を読みながら、よくわかったところ、面白いところに線を引く。
2、その線を引いたところを中心に何度か繰り返し読 . . . 本文を読む
よく、保護者の方から、「子供に本を読むようにさせたいが」という相談を受けることがあります。方法は簡単です。ただ読ませるだけです。読む力がつくから読むようになるのではなく、読むから読む力がつき、読むことが面白くなってくるのです。
たまに、「本を読んでいる暇があったら勉強をさせる」という方針の家庭もあるようです。受験の直前の1年間は、確かに読書量は減らさざるを得ませんが、それ以外のすべての学年で、読 . . . 本文を読む
かつてヨーロッパ人の植民地支配が世界中に広がったころ、植民地を推進する理論は、人種的な考え方で合理化されていました。つまり、優れた白人種が劣った有色人種を支配することは、社会の進歩につながるのだという考え方です。
しかし、江戸時代末期、日本にそのヨーロッパ列強の支配が押し寄せてきたとき、日本はすぐにそのヨーロッパ文明に適応しました。そして、数十年もたたないうちに、ヨーロッパに匹敵する科学技術を持 . . . 本文を読む
勉強の目的は、成績を良くすることではなく、頭をよくすることです。では、頭のよさは、どのような方法で評価されるのでしょうか。
まず最初に考えられるのは、志望校の合否です。志望した学校に合格したかどうかは、その学校の過去問と相性がよかったかどうか、推薦ではなく実力で合格したかどうかなどの要素も確かにありますが、今の社会では、トータルな学力を評価する一つの尺度になっています。しかし、入試というのは数年 . . . 本文を読む
先般、絶対語感について少し述べました。ここではより詳しく掘り下げてみたいと思います。
絶対語感の形成に大きな力を持つ読み聞かせや語り聞かせが、保護者の方にとって苦痛なのは、そこに創造性がないからです。子供に絵本を読んで聞かせるということは、大人にとっては何の難しさもない、だれにでもできる退屈なことです。そして、読み聞かせを始める前からそういうことがあらかじめわかっているがゆえに、大人は読み聞かせ . . . 本文を読む
子どもが3、4歳のころ、よく同じ本の読み聞かせをねだることがありました。飽きずに同じ本や同じ話を何度も聞きたがるのです。大人は理解の世界に生きているので、同じ本を読むよりも別の新しい本を読んだ方が意味があるように思いがちです。しかし、同じものを繰り返すというのは、実は大人の理解の世界を超えた何かがあるのです。
その何かとは、知的な理解ではなく、感覚的な一体化です。子どもに限らず大人になってからで . . . 本文を読む
実のところ、子どもたちに読書をさせる方法は簡単です。本を読めば力がついて、さらに読めるようになる、という循環を利用するだけです。だから、最初のきっかけは、まず読むことです。
その際に、その子にとって難しすぎない本で、興味がもてる本を選ぶという配慮は大事ですが、ちょっと難しいかなと思う程度のレベルの本でももちろん構いません。もし、ある本を読み始めてから、つまらなかったり難しかったりして読書が進まな . . . 本文を読む
4月からいよいよ『学童クラブ アルゴCanDo』の運営が始まります。ここでは、そこで行われる学童保育としての教育の形の一端をお伝えしようと思います。それは一言で表すと「褒める指導の実践」です。『アルゴ・プレジール』でもそうですが、指導の基本は褒めることだと思います。誰も褒められて悪い気はしないのですから…。しかし、「褒めるだけの指導でいいのですか?」、と保護者の方からはよく質問されま . . . 本文を読む
学習をすれば頭がよくなるというのは、普通の話ですが、学習をして頭が悪くなるような勉強の仕方もあります。しかし、なぜそういう学習の仕方をしてしまうかというと、その学習でそれなりにテストの点数がよくなるからです。目に見える形で表面に出てくるのは点数ですから、保護者の方もお子さんもつい点数を上げることを目標にしがちです。しかし、点数は学習の目的ではありません。真の目的をひとことで言えば、頭をよくすること . . . 本文を読む
今日は、関西大学中等部・高等部の塾説です。高槻の校舎での開催でしたが、いつ行ってもここはオフィスビルの感じ。中高校生はともかく成長期の小学生にとって敢えてこの環境を選択する価値があるのか疑問です。公立上がりの校長先生は無事立ち上がったのでお役御免なのか退任され、新しい学校長には前高校教頭のU先生が就任されました。塾の立ち位置を割と理解されたソフトな先生ですから前任のY先生よりはお付き合いしやすいで . . . 本文を読む