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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

頭の悪くなる学習の仕方

2014年02月19日 | 中学受験 合格力随想

学習をすれば頭がよくなるというのは、普通の話ですが、学習をして頭が悪くなるような勉強の仕方もあります。しかし、なぜそういう学習の仕方をしてしまうかというと、その学習でそれなりにテストの点数がよくなるからです。目に見える形で表面に出てくるのは点数ですから、保護者の方もお子さんもつい点数を上げることを目標にしがちです。しかし、点数は学習の目的ではありません。真の目的をひとことで言えば、頭をよくすることです。その計測の方法のひとつとしてテストがあるだけなのです。

小学校低中学年の方で、学習や宿題が忙しいから本を読む時間がない、というようなことを言うお子さんがいます。学習が忙しいというだけあって、そんな子はみんなそれぞれ学年相応よりも賢くしっかりしています。しかし、そう見えるのは小学校の間だけです。中学、高校と学年が上がるにつれて、成績は見劣りするようになってくるケースがほとんどです。

頭のよさの基本は、考える力にあります。その考える力のもととなるのは、考えるための語彙の豊富さです。そういう生きた語彙は、読書や会話のような生きた言葉と接することによってしか身につきません。熟語集のような知識として身につけるものは、生きた言葉にはなりえないのです。しかし、テストというものはその性格上、客観的に大量の採点する必要性から、死んだ知識をたくさん覚えているクイズマニアのような子の方が、自分の頭で考える生きた知識を持つ子よりも、往々にしてテストの点数がいいことがあります。したがって、そのテスト結果を見て、「本など読む暇があったら、テストに出る知識のひとつでも余計に覚えておいた方がいい」という発想に親子共々なりがちなのです。

もちろん、ただ何の本でも読んでおればいいというのでは、本の読み方としては不十分です。本当は、その学年に応じて少し難しい抽象的な語彙も含まれた本を読んでいくことが大事です。しかし、それでも、テスト対策向けの知識を覚えるような学習をするよりも、どんな本でも読書をしていた方が頭の成長にはずっと貢献しているはずです。



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