今日は、関西大学中等部・高等部の塾説です。高槻の校舎での開催でしたが、いつ行ってもここはオフィスビルの感じ。中高校生はともかく成長期の小学生にとって敢えてこの環境を選択する価値があるのか疑問です。
公立上がりの校長先生は無事立ち上がったのでお役御免なのか退任され、新しい学校長には前高校教頭のU先生が就任されました。塾の立ち位置を割と理解されたソフトな先生ですから前任のY先生よりはお付き合いしやすいでしょうか。
しかし、入試基準の設定は中高一貫生の高校入学が始まる昨年よりさらに厳しくなりました。その根本原因は、来年入学してくる初等部生。その受け入れを行うため中学入試の募集定数が40名減の約60名となりました。さらに、今まで関大中等部が塾にとって大きなメリットとして感じられた後期入試が廃止されました。当然、前期入試は残りますが門は狭くなり、開学時以来のこの学校のうまみは完全に消滅したと言えます。
とするならば、当然出口での実績勝負、つまり俗に言うところのお買い得の学校なのかということになるところですが、本年度の大学合格実績を見るにあまり目を引くものはありません。U先生がご説明の中で強く述べられた学力増強への諸施策は、そんな危機感が駆り立てているのかも知れません。
高等部は約40名の募集ですが、巷に公立高校志向の強い現在、合格の目安は私立でも難関校トップクラスです。確かにこの学校の売りは国立大学を狙いながら関大が担保できることにあるため、その点にお得感を感じる保護者の方もいらっしゃるかも知れません。しかし、このレベルの生徒が入学するのであれば、京大10人を含む40人ほど(3年生の約1/4)の国公立生を出して欲しいと思います。今年の大学実績ではただの空証文にしか過ぎず、安全科学科という進学型専門学科で全員が学ぶ利点が充分に生かされているとは言えないと思います。
本当にお題目通り難関国公立生の合格をある程度揃える気概があるのなら、せめて〈国立理系〉〈国立文系〉の2クラス制は必要ですし、中等部で実施している数英の高校範囲先取りをうまく高等部につなげるべきです。現在の〈国立文理〉1クラスの体制で高2~3生の2年間を管理してもそんなに多くの国公立生は発生しないでしょう。よくいって20名強(本年は9名)程の合格ではないでしょうか。
と考えると、この学校の実体は少しでも優秀な関大生確保ための橋頭堡と思えてくるのです。そしてもしそれが本質なら敢えて厳しい学習を課す関大中高等部ではなく、より学生らしい学校生活を送れる関大一中高でもいいのではと考えてしまうのですが…。
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