先日は、某中学校高等学校の対塾説明会でした。そんなに多くの生徒がお世話になっているわけではありませんが、一応、毎回お伺いしています。この毎回というところに実は小さくない意味があります。俗にいうところの定点観測とでも申しましょうか。さしずめ、昭和新山に対する三松正夫郵便局長のようなものか。イヤそんなにかっこよくはないな。
学校も生き物で、経済情勢・社会状況、はたまた他校との関係などで、いつも変化し続けています。確かに、教育理念や方針がネコの目のようにクルクル変わるのはいただけませんが、募集や広報活動の仕方・手法・意欲などは右顧左眄など日常茶飯事です。
別にそれを責めているわけではありません。募集活動や広報は、いわば営業に通ずる経営の根幹をなすものです。よりよきものを求めて変化していくことは、大切なことだと思います。しかし、変化を望んで換骨奪胎の仕儀に陥ることもあながち少なくありません。そこの踏分が難しい。
先日の学校も、それまで立て板に水で尚かつその水に勢いのある対塾説明会を続けられてきました。そして、それに比例するように有力校へと階段を上ってこられ、現在があります。でも、今年は去年と同じ流れなのに勢いが感じられませんでした。今年の入試状況を見ても他校と比べても別に見劣りするわけではありません。いや、羨ましく思う学校も沢山あるはずです。しかし、如何せん勢いが…。もう何か剣が峰を越えた感の安心感はたまた安穏感をではないかとさえ感じました。杞憂であればいいのですが…。
この勢いとか覇気とか意識とかというものは、ナカナカ外からは見えにくいものです。しかし、存外人は感じ取っていきます。願わくば、保護者説明会の場で伝わらずにいて欲しいと思います。こんなあんなが図らずも見える、感じる、聞こえてくる。それが、対塾説明会という定点観測の怖さでもあり、面白さなのかも知れません。