7時を回ると陽射しがドンドン強くなり、明るく暖かくさえなってくる。うろついていたのは母親だが、何が目的なのか、カーテン一つ開けていない。カーテンを開け、テレビやコタツのコンセントを差し込み、石油ストーブに火をつける。私の顔を見ると同時に母親は、入れ歯の忘れたままのとぼけた顔で「きょうは行かんでいいんやろ？」と聞く。
決して、「行く日やろ？」とか「いかなあなん日やろ？」とは言わない。必ず、「いかんでいいんやろ？」と本音をもらす。つまり、本人にとって、楽な方を選択しているに違いない。
学校に行きたくない子供が、毎日「今日は日曜日やろ、かーちゃん？」と聞くようなものだ。
さあ、親父は寝ているので、そろそろ起こして、食事させなきゃ。.......起こした！
タイトルの「同時進行」に関して
作業中の私は、作業箇所を2、3箇所に着手し、同時進行させるのが好き。ひとつづつ片付けるのは、無駄が多く、かつ単純でつまらない。ふたつ、みっつを同時に進行させると、瞬時にたくさんのことを判断し、二度手間にならずに、効率よく動くことを考える。それが楽しいし、仕上がる時は次々と片付くから、これも楽しい。そんな下らない話。
さあ、また新しい日が始まった。文化の日。朝一番にやってきた村人が、甘柿をたっぷり持ってきて、村人数人が私に相談事があるのでと、夕方隣集落の外れにある焼肉屋に招待された。内容は分かっている。多分、県道買収に関する地権者の費用と経費問題。破格で安い買収単価に比べて、相続などの経費の自己負担分が大きくて、マイナスになるような買収実態。私は無関係な立場で、知識や知恵があるから相談役という次第。ほほほ（タダ飯食いの無責任じじい？）
