日曜午前8時、雪がちらついて、畑は真っ白状態。1日で風景が変わる。一昨日植え替えたミカンの幼木も寒さに震えているに違いない。
一昨日の金曜日の女子ゴルフサバイバルで、2月の優勝者が決まった。2月最後の週の最後の二人まで薮田梨花が残っていたので、番組を最高に楽しめた。「全ホールバーディで優勝したいです」と試合前にはお気楽に言っていたが、ノーバディー3ボギー、3度のサドンデスを潜り抜けて、最後の最後まで生き残り、最終ホールを「お先」でパーを決めたが、全く似たような距離と方向からの相手のバーディーであっさり敗れ去って、優勝は出来なかったが、考えれば、よく頑張った。
1年前の初出場と比べると、格段に成長して、番組は副題まで付けて、しっかり彼女を捉え、たくさんおしゃべりも流れたし、明るく、自然で、自信に溢れたプレイ姿を見せていた。最新のピアスをつけ、化粧もバッチリ、美容室にも定期的にいくし、マニュキア爪も、服装も全く問題なし。藤田光里と同じコーチに習っているとかで、その先輩の色合いにすっかり染まって、広い女子ゴルフの村の住人として、定位置を確保し、慣れてきたのだろう。今、一番幸せなのかもしれない。これで、勝負香水を付けて、誰か女子ゴルファーの生活に理解のある人生の相手に恵まれて結婚できれば、もう、それ以上は望むべくもない。
才能として見事だと思えたスイングも「高い志と強い意志」がなければ、磨かれることはない。運動能力と頭脳とハートが備わらなければ、トッププロとして億単位の賞金を稼ぐチャンスは巡ってこない。勝手に「期待」したファンの私が、悪かったとつくづく反省する。彼女は、彼女なりによく頑張っている。それでいいのだ。誰もが、川﨑春花には成れるものではない。
女子ゴルファーの世界は広い。「全ホールバーディ」などと夢は大きいが、それは子供たちが「イチローのようになって、メジャーで活躍したい」というのに似ている。ノリで楽しい夢を語っているに過ぎない。サバイバルに出場する十人が、狙うのは優勝です、などと言いながら、見ている視聴者が呆れるほどの、ヘボショットさえするのだから、ご愛嬌というものだろう。
人間には持って生まれた「器」がある。親のDNAと強い志とハートで決まる。小さな器に大きな期待を寄せるのは残酷というものだ。20年前の3月18日、私は同じ過ちをした。東大出二人組に、大きな期待を寄せたのだが、今になって知るのは、驚くことに「根本的な無知」が、必死で問題解決に取り組んだ誤った「解」に辿り着いたということだ。その後の大勢の人生を大きく変えたその回答は、無知な二人組にとって、必死な努力の結果だった。
何という「哀れ」なことだろう。胸を張って引き受けた彼らが悪いのではない。その能力を見抜けなかった私に、大きな原因があるのだ。すべては、私のせいだ。「全ホールバーディで優勝したいです」という笑顔を信じては、全てを見誤る。何せ、バーディなど偶然にも、一個もなかったのだから。それが、現実なのだ。
20年も前の複雑なことが、今になって、スッキリ理解できるのは、あの世が近づいている証拠かもしれない。