自称「一般的な会社員」

どこにでもいる、一般的な会社員の日常

8月23日

2012-08-23 | Weblog
初めて、一人で登山してきました。登った山は八海山。理由は簡単、祖父母宅から近かったから。

普通、八海山と言えば日本酒を連想しますよね。あのお酒を造っている八海醸造は、八海山の麓にあるんだよ。安直だね。甘めな感じで、私はあんまり好きじゃない。日本酒はキリッとスッキリ後味が好き。大吟醸とかは違うのかもしれないけど。ちなみに、雪国まいたけもすぐそばだよ。

幼少のころ、祖父母宅に行くたびに八海山を見てきました。目に映る青い山は、きっとテレビで見た海外の山のように険しいんだろうなぁと、幼心に思っておりました。そんな私も大人になり、それなりに登山経験を積んできました。今の私なら行けるかもしれない!と、調べてみたら、ロープウェイあんじゃん。手軽に登れんじゃん。オレの決意を返してよ。

そんなわけで、お手軽登山。登山用に用意したお茶を爺さんが飲んでたり、いざ出発しようとしたら『今日は日が悪い、明日にしろ』と爺さんに止められたり、出発前からグッタリ。昔の人は験を担ぐのはわかるが、お茶はダメだろ。『行くだけ行ってみて、ダメそうなら引き返してくるよ』と説得して出発。おかげでロープウェイの始発に間に合わなかったぜ。

一人ってことは、全部自分でやらなければいけません。初めて登山カードなんて書いたよ。ロープウェイで4合目まで一気に登って、そこからは自分の足。ペース配分も自分でしなければなりません。ついつい早足になってしまい、早々に息が上がって汗びっしょり。感覚でわかるぞ、背中は一面汗で濡れていると。午前中とはいえ、風が無くて日光を浴びてるから暑いのよ。ちょっと反省しながら水分補給して、また歩き出す。

最初は、ほとんど平坦かつ整備された道。上り下りも階段があったりして。それがだんだん、固い土に変わって、高低差はそんなにないんだけど結構な勾配に。そしてこんなに暑い癖に朝露か何かで湿っている。超滑るわ。だんだんと高低差も大きくなってくると、今度は岩。これも濡れていて滑る。景色がいいわけでもなく、なんでオレ登ってんだろ…とちょっと後悔。

登りはまだいい、問題は帰りですよ。こんなよじ登るような滑る岩場、どうやって下るのよ。そんな不安を抱えつつ進むと、鎖場とご対面。鎖場って、壁面の上に打ちつけたくさびから、本当に鎖が垂れているんだよ。鎖を手繰って登るんだよ。テレビ見たいでちょっと楽しい。ただ、滑る。一回、軸足が滑って膝を強打したよ。痛みで手を離したら、下まで真っ逆さまだよ。怖いねー。

そんな鎖場を越えて、最低到達ラインである千本檜小屋に到着。ここまで2時間弱、ちょっとペース速いな。一休みしていると、こんな看板が。


迂回路行ってもなー、ロープウェイで帰るから戻ってこなきゃならんし…。とりあえず不動岳まで行ってみようか。

道が今まで以上にハード。っつーか、ここ道なの?横傾斜が激しすぎたりするんですけど。滑ったら谷間で真っ逆さまなんですけど。鎖場も、今まで以上にハードだしさぁ。道はハードでしたが距離はそんなになく、あっさり第1岳の地蔵岳に到着。狭っ!ちょっとバランス崩したら落ちるわ。名前どおり、お地蔵さんがいっぱい。霊峰だからね。地蔵岳から5分くらいで第2岳の不動岳に到着。やっぱり狭い。そしてこんな看板が。


ほとんど人がいないので、落ちたら気づかれない可能性が…。登山カードは出したので、明日には遺体捜索してくれるだろうけど。でも、爺さんに『日が悪いから明日にしろ』って言われたのに登ったわけで、これで死んだら爺さんが『無理にでも止めておけばよかった…』とかショック受けるかも。半分ボケてるからすぐ忘れると思うけど。つーか死にたくないよ!孫をこの手で抱くまでは!いや、子どもの結婚式に出るまでは!いや、子どもをこの手に抱くまでは!いや、結婚するまでは!いや、彼女が出来るまでは!

おずおずと撤収。旧日本軍風に言えば転進。物語風に言えば勇気ある撤退。まぁ、初心者が行けるところは制覇したってことで。あ、でも今気づいた。入道岳は迂回路から行けるじゃん。まぁ、次回の宿題ってことで。

とぼとぼと来た道を戻って、途中でお昼のパンを食べて、下山。何故か後頭部がめちゃめちゃ痛い。ずっと足元を見ていたせいで首がこって、血流が悪くなっているのか、それとも熱中症か。ちょくちょく休んで首をほぐして水分補給をするけど、解消する兆しが無い。仕方が無いから急いで下山しよう。

ロープウェイは20分おきに運行。今からだと次のロープウェイはギリギリかな…急げば間に合う!とか思ったのですが、駅まで数百メートルってところでジジババ集団と遭遇。『どうせロープウェイ間に合わないからのんびり行くべ』みたいな会話をやかましくしておりました。邪魔だ、急がないならオレに道を譲れ、こっちは間に合うと思ってんだ。なんて言う勇気があるはずもなく、おっさんたちも私のことをガン無視。ようやく広い道に出たところで、超ダッシュ。頭が痛いとか言ってらんない。残念ながら、駅に着いたのは発車時間。間に合わなかったか…と凹んでたら、駅員さんが『まだ間に合いますよー』と入れてくれました。ありがとう!私のせいで1分遅れちゃってごめん!

ロープウェイでボーっとしてたら頭痛が治まったので、やっぱり首がこってたんだと思います。帰りのバイクは半袖で運転してしまいました。暑かったんだもん。

まぁ、無事に下山出来てホッとしています。頼れる人がいないというのは、精神的に疲れました。あと、別に登って楽しい山ってわけではなかったのが残念。涼しかったり、歩きやすかったり、景色がキレイだったら良かったんだけど。あと、道中に虫が多かった。虫は別にいいんだけど、耳元で結構重たい羽音がずーっと聞こえるとかなりビビるよ。事前に蜂に刺される人が多いって聞いていたし。蜂は黒を攻撃するので、羽音が聞こえたらタオルをかぶって防御してました。帽子買えよ。

難易度的には今の私にピッタリだったので、また入道岳目指してリベンジしよう。