自称「一般的な会社員」

どこにでもいる、一般的な会社員の日常

12月6日

2011-12-06 | Weblog
空気が乾燥しているせいか、呼吸をするたびに右の鼻の穴の奥がヒリヒリ痛い。地味につらい…。



さすらい出張旅情編

それは突然でした。『アレックス君、暇でしょ。出張行ってきて』この一言がすべての始まりだったのです。

突然出張を仰せつかった私は、新製品の説明資料の作成に取り掛かります。サンプルを取り寄せ、ガリガリ使いながら、要点をまとめる。どうしてこうなった…。夜も寝ないで昼寝して、ようやく出来上がった資料を持って、今回の出張を要請した東京の製品担当者にごあいさつ。

製「あれー、おすぎちゃんじゃん。どったの?」
ア「お疲れ様っす、今回の出張を担当することになりました。コレ、資料です」
製「あっそう、悪いね」
ア「初出張なんでご迷惑をおかけするかもしれません」
製「大丈夫大丈夫、わかんないことあったら聞いてね。あと、ここの書き方変えて」

そう、転職してから初めての出張です。前回の出張は何年前だろうなぁ…まだ元同居人と二人暮らししてた頃だもんなぁ。飛行機に乗るのもそれ以来です。

まずね、準備から大変。人生で飛行機に乗る機会は、4回ありました。親父殿の社員旅行に同行したとき、高校の修学旅行で北海道に行ったとき、そして昔の会社の出張で中国へ2回。困ったことに、どれも自分で航空券の手配をしていないんだよね。飛行機ってどうすれば乗れるの?結局、総務にお願いして取ってもらいました。個人旅行で飛行機に乗るケースがあったらどうしよう…。

宿の手配は、自分探しの旅(笑)で何度もやってるから楽勝だね。出張申請も製品担当さんに教えてもらって無事に完了。あとは必要機材を先方に送って…どうやって送ればいいんだ?普段はこういう業務をしないからさっぱり…。総務さんに見下されながら、えっちらおっちらと準備をして、なんとか出張当日を迎えることが出来ました。

今回の出張は6人です。出張を企画した製品担当さん、開発担当から2人、営業担当から2人、そして私。日程は2泊3日と言うべきかなんというか…。仕事が終わったら羽田に行って、翌日は丸一日仕事して、その次の日に帰る。2泊2日が正しいかな。本来であれば2日間のお仕事ですが、営業の都合で無理矢理1日に短縮されちゃったのよ。スケジュールを修正して営業に出したら『こんなに説明要らないよ』と時間を短縮させられました。

そもそも、営業は今回の出張に乗り気じゃない。製品担当は売りたいから『どんなものか説明しまっせ!』と気合入っているのに、営業は『こんなの…そんなに売れないだろ…』と否定的。板挟みの私と開発担当は、まいっちんぐ。

さて、出発当日。初めての出張に心ウキウキで仕事をしていると、製品担当さんが私の席へ来襲。

製「おすぎちゃん、準備はいい?」
ア「ばっちりです!忘れ物はありませんよ!」
製「じゃあ行こうか」
ア「え?いや、まだ定時まで1時間ありますけど」
製「いいのいいの、早めに空港着いとかんと」
ア「フライトは定時上がりでちょうどいい時間ですけど」
製「ラウンジでのんびりすりゃいいんだよ。ホラ、行くよ!」

定時まで1時間あるにも関わらず、大手を振って退社。何この背徳感、たまらん。

会社はNew Bridgeなので浅草線で羽田空港まで…と思ったら、何故か大江戸線に乗り、大門で東京モノレールに乗り換え。『いいのいいの、どうせ会社の金だし』この人、大丈夫かしら…。しかし、不安よりも期待の方が大きいよ。モノレールは、多摩都市しか乗ったことないからね!時間はたっぷりあるので、混んでいる快速を避けて、各停でのんびり羽田へ。首都高と並走しているんだけど、車と同じくらいの速さだから結構速いね。モノレールが羽田に近づくたびに、緊張度が上がっていったのは内緒だ。

そして着いたよ羽田空港。たぶん、人生2度目。修学旅行の時って羽田だったよね?荷物を抱えたまま、ラウンジへ。人生初ラウンジですよ。ふっふっふ、職場から空港に直行してラウンジで休憩なんて、オレも大人になったものだな。なーんて自己陶酔しつつ、トイレに。そして鏡を見てみたら『外回りに行かされている新人』が写っていました。全然大人じゃない。

ラウンジは、アルコール以外の飲み物は無料なんですね。貧乏根性丸出しで、ついつい飲みすぎてしまいました…。製品担当さんはビールを飲んで寝ていますが、私は緊張でキョロキョロ。そして飲みすぎと緊張でトイレに行きまくり。完全に田舎者でサーセン。

私と製品担当さんは飛行機が別ですので、1時間ほど一緒にのんびりしてフライト30分前に解散。ここからは一人です。むしろ独りです。ど、どうすれば…。とりあえず搭乗手続きってのをしなければならない。あれ?チケットってどこで貰えるの?もうね、そういうレベル。なんとか発券機を見つけて、総務に教えてもらった番号を入力。おぉ!チケット出てきた!あとはチケット持って搭乗手続き…あれ、大きい荷物はどこに渡せば…あ、手荷物カウンターですか。超ウロウロ。警備員に呼びとめられてもおかしくないレベルの不審っぷり。無事に荷物を預けて、今度こそ搭乗手続きをするぞ。あの金属探知器に並びつつ、持ち込めないものリストをチェック。スプレー類、無いね。ライター、タバコ吸わない。ペットボトル、機内で飲み物出てくるでしょ?刃物、やべ…ハサミ持ってきてた…。お姉さんに事情を説明するよ!『フライトまでお時間がありませんので…ここで捨てて頂くか、着払いで送ることになるかと…』と言われました。まぁ、ハサミくらい捨てていいけど。刃渡りを測ってみたら、6cmジャスト。6cmを超える(以上じゃない)とダメらしいので、ギリギリOKだって。イェア!出口でもう一度測られたけど、やっぱりOKを頂きました。ご迷惑をおかけします。

出発ロビーに来たのはいいけど、超手持無沙汰。『搭乗開始』とアナウンスされたけど、一般のエコノミーは一番最後にしか入れないのね。やることないよ。仕方ないからiPhoneでウェブサーフィンしていたけれど、フリックする指がめちゃ震えてた。別に会いたくて震えたわけじゃない。でもアレだね、CAさんが日本人ってだけで安心感が違うよね。だって言葉が通じるもの。思い出される中国東方航空の悪夢。

ようやくゲートをくぐったものの、飛行機までの通路(タラップ?)で大渋滞。飛行機乗るのって大変だなぁ。あんまり待たされると緊張感が増すから勘弁してほしいなぁ。ようやく機内に入って、自分の席を発見。しかし、荷物入れがガッチリ閉まっている。オレのこの鞄はどうしろっつーの?もう飛行機ヤダ。

座席は窓際。総務に『窓際じゃないとヤダ!』と駄々をこねたら、冷めた目で見下しながらも手配してくれたんだよ。いいじゃん、せっかくの飛行機なんだし。しかしアレだね、せめぇ。新幹線くらいの広さを想像していたけど、はるかにせめぇ。しかも真ん中の肘掛は、隣のオバハンに占拠された。ガッデム!心挫けた私は、涙目で夜景を眺めていたよ。あ、怪物くんジェットだ。大m…大野くんも大変だよね。

そんな私の心情とは関係なく、遂に飛行機が動き出す。緊張が興奮に変わるよ。思わず口元がにやけちゃうね。夜の羽田空港は、誘導灯の明かりがキレイだね。青と緑が多いな。滑走路に向かって走る飛行機。うん、いつ飛ぶの?陸上走行の推進力はなんだろうなぁとか、ハサミ持ち込んだけど、アレでここで自害したらどうなるんだろうなぁとか、そんなくだらないことを考えてたよ。因みに、陸上走行はタキシングといい、推進力はジェットエンジンだそうです。燃費悪そう。

10分ほど走行したところで、一時停止。お?ついに離陸か!?と思ったら、『滑走路が混雑しているため20分ほど待ち』とのことでした。飛行機って大変ね。再びゆっくりと走り出したけど、飛行機が列になってるじゃん。2つ前の飛行機、アレに製品担当さんが乗っているんだなぁ。お、前の飛行機は水平尾翼が垂直尾翼の上にT字型についている。ああいうのかっこいいよな!

さすがにそろそろ飽きてきたなぁと思ったら、飛行機が加速。ksk。おぉ!Gがキタ!でもヤージーのインプレッサの方がGを感じるね。大型機だから仕方ないか。約30分遅れで離陸です。ゆっくりと上がりながら、右旋回を行う。私は右の窓際に座っていたため、夜景がよく見える。東京タワーにレインボーブリッジだ。本当に宝石箱をひっくり返したみたいな夜景だなぁ。すごいなぁ!

そんな中、突然中央上の荷物入れが開いたよ。私は機内右側に座っていて、機体は右旋回しているわけで、右側が下になるわけです。このままだと荷物が私に向かって落ちてくるよ。なんというデンジャラス。こういうサプライズいらない。無事に巡航に入ったときは、ホッとしたよ。

夜景はキレイだけど、ある程度の高さまで上がってしまうと、もう何も見えない。星空でも見えるかと思ったら、機内が明るすぎてダメでした。どうしよう、やることがない。本なんか持ち歩いてないし…そうだ!iPhone持っているじゃん!機内モードにすれば電波出ないから使えるぞ!これでウェブサーフィンでも…って、電波出しちゃダメじゃん。じゃあ音楽を聞こう。…イヤフォン、Bluetoothしか持ってないや。Bluetoothもダメだよなぁ。途方に暮れたね。さすがに太鼓の達人を無音でやるのもどうかと思うし。そこで思い出した。鞄にiPadが入っているじゃん。鞄を荷物入れに入れなくてよかったわぁ。iPadを取り出して、自炊したONE PIECEやドラえもんを読んで時間を潰すよ。どっちもつい最近読んだばかりだから、すぐに飽きるよね。はあ…帰りは100均でイヤホン買おうかな。

しかし機内は乾燥しているな。湿気で機器がダメになるのを防いでるってテレビで聞いたことあるけど、喉が痛くなってくるよ。仕方が無いから水分をたくさん取っていたら、ラウンジの件も相まって、トイレに行きたくなりました。しかし、座席は新幹線より狭い。出るのが超大変。隣に座っているのがお姉さんならいいけど、オバハンだもんなぁ…。

約2時間の飛行を終え、飛行機は徐々に降下。なんだか街の灯りっぽいのが見えてきたぞ!お、何だアレは。ガイドビーコンみたいのが出ているぞ!『ガイドビーコンなんか出すな!やられたいのかい!』しかもガイドビーコンは高速道路の上を光っているじゃないか。なかなか面白い光景だなぁ。そういえば、どっかの国にビーチのすぐそばに滑走路があったけど、あそこの夜間着陸は怖そうだよなぁ。なんて考えながら、必死に耳抜きしておりました。三半規管が強くない私は、すぐに耳の奥と頭が痛くなるんだよ…。

緊張の夜間着陸は、無事に終了。耳抜きもうまく出来まして、頭痛無し。さあ、予定より15分遅れで、やってきました修羅の国。気温は東京と変わらんな。取り急ぎ、預けた手荷物を取りに行くよ。全然ベルトコンベアが動かないよ。10分ほど待って、ようやく動き出したかと思いきや、荷物がいくつか出てきただけでした。半分くらいの人が、ひたすら流れるベルトコンベアを眺め続ける。超シュール。上海もそうだったけど、何でオレの荷物ってこんなに出てこないんだよ。先に到着した製品担当さんから『まだー?』と催促のメールが来るし。ようやく荷物が出てきたのは30分後です。30分あとの飛行機で来た開発担当さんと、出てきたのは同時だよ。おい、責任者出て来い。

気を取り直して、地下鉄で市街地へ移動するよ。ちょっと待って、なんかおかしい。ここどこよ?修羅の国?試される大地じゃないの?すすきのはどこだよ?

修羅の国の良いところは、空港と市街地が近いこと。すぐに到着だよ。荷物が出てこなかったせいで、もうかなり遅い時間。急いでホテルへ行って荷物を置いて、夕飯を食べに出かけるよ。まぁ、最悪ラーメンでもいいやと思っていたけど、ラストオーダーまで30分という居酒屋を発見したので突入。地元料理を教えてもらって、モグモグゴンボしたよ。そういえば、ヒロミって今何しているんだろうね。料理はめっちゃ美味しかったよ。数年ぶりに焼酎も飲んだけど、意外と美味しかったよ。

次の日は朝から仕事と言うこともあり、腹も膨れたのでおとなしく解散。と言っても日付は超えていたけど。くそっ!荷物が出てこないせいで…!明日の仕事は女の子が相手だといいなぁ。