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人間VS機械 将棋「電王戦」

2014年05月19日 21時24分44秒 | Weblog

 最近のコンピューターの発達は目覚ましく、やがては人間能思考を機械が越える日が来るかもしれないという恐怖感がある。「2001年宇宙の旅」のような世界、人間を機械が支配する日が来るのかもしれない。こんな恐怖がのしかかる。
 どんなに優れたコンピューターでも人間の思考にはかなわないという思いが、人間側にはあった。どんなに処理能力、計算能力が優れたとしても、人間の思考能力にかなうはずがないとの思い・・・。しかし、これは絵空事なのかもしれないと感じ始めている。
 数年前にチェスの世界王者がコンピューターに負けたという事件をきっかけに、このようなゲームソフトが進化して、人間を越えることがあるかもしれない。しかし、チェスと違って、相手から獲得したコマを再利用するという日本の将棋に、コンピューターは勝てないだろうと言われていた。獲得した駒を再度利用するには、多くの手が存在する。これを人間以上に分析して使いこなせることは、機械には不可能なはずだった。しかし、昨年、今年と将棋のプロ棋士に将棋ソフトがチャレンジした戦いである「電王戦」に、2年連続プロ棋士が敗退したのだ。これはショックである。しかも、ソフト側の5戦4勝という数字に愕然とするのである。最高峰のプロ棋士に将棋ソフトが圧勝するなんて・・・。
 これからの社会では、コンピューターに支配されていくのは、人間なのかもしれない。

【記事】
コンピューター将棋ソフトとプロ棋士が真剣勝負を繰り広げる「電王戦」。今春は4勝1敗と、2年連続でソフト側に軍配が上がった。今やソフトが編み出した手がタイトル戦で採用されるなど、長年の定跡に一石を投じるまでに。チェス世界王者がソフトに敗れてから17年。日進月歩で進化する将棋ソフトに、プロ棋士は「次の一手」を繰り出せるか。【丸山進】

 5月の連休後半、世界コンピュータ将棋選手権が千葉県で開かれ、38の将棋ソフト開発者が集結した。「世界」と冠して24年。参加は日本人だけだが、近年にわかに注目されるようになった。「プロ中位以上の実力があると認めざるを得ない」。今春の電王戦でソフトの実力を見せつけられた日本将棋連盟の谷川浩司会長は悔しさをにじませた。プロ棋士を破ったつわものが世界選手権では予選落ち。競争は激しい。

 チェスやオセロは既にソフトの実力が人間の世界王者を上回った。一方、将棋は取った駒を持ち駒として使えるため、実戦に現れる局面の数は「チェスの約1000京倍(京は1兆の1万倍)」と複雑。しかしプログラミング技術が向上し、ソフトがプロの棋譜を“学習”して年々強くなっている。

 将棋ソフトは最大で約50手先までくまなく読み、駒の損得や玉の安全度を数値化する「評価関数」によって最善の手を選ぶ。電王戦通算2勝1敗の「ツツカナ」を開発した一丸(いちまる)貴則さん(29)は「良さそうと判断した手は、さらに先を深読みさせるように工夫してから強くなった」と分析する。一丸さんはゲーム開発会社「HEROZ」のプログラマーでアマ有段者だ。

 今回、豊島(とよしま)将之七段(24)に敗れた「YSS」開発者のフリープログラマー、山下宏さん(42)によると、将棋ソフトの思考方法を少し変えては変更前のソフトと1000回対局させ、53%以上の勝率を上げれば「強くなった」と判断する。「1000回対局するのに丸一日かかるが、強くなる確率は20回に1回程度」と言う。

 プロ棋士側は「ソフトは序盤より終盤が強い」とみる。指し手のパターンが多い序盤ではソフトは定跡をなぞりがち。新戦法ではプロの研究に分がある。だが終盤、攻守とも指し手が限定されるにつれ、人間のような見落としがないという。将棋連盟理事の片上大輔六段(32)は「電王戦の4敗中3敗はプロがチャンスを生かせなかった」と中終盤の見落としを指摘する。

 ソフトの実力を認めて研究に活用する棋士も増えている。片上六段は「公式戦で20手以上の長い詰み(王手の連続で王を仕留めること)を読み切り、相手が負けを認めた。でも対局後、ソフトに棋譜を解析させたら見落とした手があって詰みではなく、実はこちらが負けていた」と苦笑する。

 森内俊之名人(43)はソフトが編み出した「新手」を研究し、昨年の名人戦第5局で指して防衛に成功。若手棋士が別の新手を公式戦で指す場面もあり、片上六段は「ソフト由来の手は今後増えるだろう」と予測する。ソフトに弱点はないのか。山下さんは「大局観については棋士が優れる。少しずつ駒が前進するような戦いでは、ソフトは最善の手が分からず、じわじわと差が開いてしまう」と隙(すき)を認める。自玉が敵陣に入り込む「入玉」も不得手という。ただ「そうした展開に持ち込むこと自体が難しい」と棋士側は口をそろえる。

 さて、将棋ソフトは最強の棋士たちに勝てるのか。「羽生善治王位と10回対局すれば何局かは勝てると思うが、勝ち越せるかは分かりません」と山下さん。電王戦の対局相手は、ネット動画配信大手「ドワンゴ」とともに主催する日本将棋連盟側が選び、出場を受け入れた棋士。次回について谷川会長は「相当な覚悟をもってメンバーを選ばないと」と話している。

 どんな相手でも勝てる「必勝法」の解明に向け、ソフト開発者は日夜努力を続ける。その日は来るか。こればかりは先が読めない。

 ◇プロ棋士の対将棋ソフト 公開対局戦績

            勝敗 氏 名  (対戦相手)

 2007年3月21日○渡辺 明竜王(Bonanza)

 2012年1月14日●米長邦雄永世棋聖(ボンクラーズ)

 2013年3月23日○阿部光瑠四段(習甦)

      3月30日●佐藤慎一四段(ponanza)

      4月 6日●船江恒平五段(ツツカナ)

      4月13日△塚田泰明九段(Puellaα)

      4月20日●三浦弘行八段(GPS将棋)

     12月31日○船江恒平五段(ツツカナ)

 2014年3月15日●菅井竜也五段(習甦)

      3月22日●佐藤紳哉六段(やねうら王)

     3月29日○豊島将之七段(YSS)

     4月 5日●森下 卓九段(ツツカナ)

     4月12日●屋敷伸之九段(ponanza)

 (注)段位・肩書は対局当時。勝敗の△は引き分け。「電王戦」は2012年から。









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