先般、NHKの番組で「ねほりん・ぱほりん」を見た。この番組は、LGBTの人や腐女子の人、コスプレプライヤーの特化した女子等、その人たちの現状や思いを赤裸々に山里亮太やYUIが聞き出すという、面白い番組なのである。赤裸々な話をするので、本人たちは実写で登場することはなく、豚の人形になってトークを展開する。聞き手であり、質問する側は、もぐらの人形になって話を聞いていく。「え!こんなこと聞けない」等の内容にもズバズバ切り込んで、その人たちの思いを聞き出すのである。正に、赤裸々なトーク番組なのである。
今週の番組では、「プロになれなかった元奨励会員」が二人参加し、赤裸々な内容をトークした。奨励会とは、将棋のプロ棋士になるための養成機関であり、ここを通過しなければ、プロ騎士にはなれない仕組みになっている。奨励会では、4段以上でプロ棋士となることができる。幼少からこの奨励会に入って、対戦を重ね、プロ棋士への道を目指すのであるが、26歳までに四段になれなかった人は、この組織を脱退することになる。ということは、目指していたプロ棋士になれないということになる。最近、非常に脚光を浴びている藤井七段は、この奨励会にて早期に四段に昇格し、現在高校生ながら七段の資格で対戦しているのである。奨励会に所属しているのは、800人以上、この中で毎年4人程度がプロ棋士になっていくのであるが、相当に厳しい門なのである。年間4人のプロ棋士の枠を、多くの人間で争うのである。この闘争は、プロ棋士になっても続くのである。プロ棋士には、対戦の勝率によって、A級からC級までの5ランクのクラスがあり、当然にA級に所属している棋士が最も強く、このA級の順位一位が、名人位に挑戦できるのである。プロ棋士は給料で生計を成り立たせているので、対戦やタイトルを獲得することで、入ってくる報酬が決まるのであるから、当然に、勝利して報酬を獲得していく必要があるのである。
元奨励会員の二人は、それぞれ二段、三段で退会したということなのであるが、26歳という年齢で、当然に高校卒業後師事するプロ棋士の門下に入り修行をしたので、何の学歴も資格もない。プロ棋士を目指し、毎日、将棋漬けの世界を何年も行ってきたことで、26歳で奨励会を追い出されても、やれることがない。要するに、職に付けないということなのである。幼少時、その地域で一番だったとしても、奨励会に入れば、全国から同じような猛者が集まってくるので、その中で勝ち進み、生き残っていかねばならないのである。奨励会内でも、給料はないため、アルバイト等をしながら、生活の糧を稼ぎ、将棋に打ち込む生活を送っていくので、かなり過酷な人生を強いられるのである。
このような状況の世界から、英雄のごとく飛び出した藤井七段は、やはり、破格のプロ棋士なのである。連勝記録を打ち立て、最年少記録をいくつも達成し、今度はタイトルをも手にするところまできている。
人生には、それぞれの目的がある。その環境で最高の存在にならなければ、生きてはいけない。どの世界でも、生きていくことは厳しいものだと痛感するのである。
王将 村田英雄
歩 北島三郎
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます