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消失したドラマ

2009年11月12日 22時21分26秒 | Weblog

 放送業界では、かなり有名なドラマでも、現存して無いことがあるのである。これは、古いドラマは、当時高額なビデオテープに収録されていたため、相当な本数を維持することは、予算圧迫に繋がっていた。そのため、ある程度放映されたドラマのビデオテープは、後進のドラマが制作されると、上書きされることが当たり前に行なわれていた。このため、有名にして人気のあったドラマが、消去され現存していないと言う事態が起こっている。たかがビデオテープというが、昭和の初め頃は相当に高価な代物だったのであるから、当然のことだったのかもしれない。ビデオテープではなく、上書きできない8mmテープの画像の方が、現存している可能性が高いのである。これも、当時の価値観と方針によるものなので、やむをえないのかも知れない。
 このような状況に追い込まれたものに、花登筺の脚本による大ヒットドラマ「細腕繁盛記」、関西の工具卸業を創業した実在の人物を描く「どてらい男(やつ)がある。どちらも、相当な人気のあったドラマなのだが、現在では観賞できない状況になってしまっている。本当に残念なのだ。

1.細腕繁盛記
花登筺の脚本による大ヒットドラマ

    「 
銭の花の色は清らかに白い
            だが蕾は血がにじんだように赤く
     その香りは汗の匂いがする 

                            ---花登筺
 このナレーションを、当時主役だった新玉三千代が行なっていた。実に深い語らいなのである。

     
 
なぁ おばあちゃん ほんまにこのうち一人で建てたん?

「そうや おばあちゃん 植木屋の娘やったんやけどな
おじいちゃんとこ御嫁入りしましたときはな
布団屋やった。ちいさいちいさい布団屋。
もう庭も耳くそほどちいさい庭やった。
おばあちゃん そこに植木、植とうてな
なんとか植木、植えたいと思うて そや、同じ植えるんやったら
匂いの高いキンモクセイ植えてやろうと思うてな
このキンモクセイの植木、そこに植たんや
すると うちの隣がな、柳亭という大きなお料理屋さんやった。
そことうちと庭つづきでしてな そこのおうちは柳亭いうさかいに
庭いっぱいに柳の木植えてありました。
そしたらキンモクセイこんなん植えられたら目立ってしょうがない。
そやから むこうのおうちから それ抜いてくれってゆうてきはった。」

そんなん 何植えようと勝ってやないの!
「そや おばあちゃん おこってやったの。
よその庭になに植えようと勝手やゆうてやったらな。
そしたら そのあくる日になってな
大家さんが出てきはってな その庭
植木抜かんのやったら ここのうち出て行ってくれ
こういうてきはった。」
なんで?」
「その柳亭は お金がうんとあるさかい
大家さんをお金で買収しはったやん
そやさかいに、おばあちゃん いややけれども
そこのうち出て行ったら 行くとこおまへんですがな
しょうがない悲しいけれどキンモクセイ抜きました。
けど おばあちゃん思いました。
このキンモクセイは抜くけれども
今に見てみい! この木よりももっと大きい大きい木を植えて
ええ匂いのする花咲かせてやるぞとこない思うた。」
なんの花
「どんな花やと思う」
さくら
「いや」 違います」
梅の花
「いいや 銭の花」
銭の花?

「世の中 お金さえあったら どんな自由でも通る
そやさかいに おばあちゃんの手で どんなことあっても銭の花
咲かしてやろうと思って おばあちゃん
お父さん死にはってから おじいちゃん死にはって
あんたのお父さん大きいしもって おばあちゃん銭の花咲かせました。」

「言うとくけどな 銭の花咲かそと思うたら
お金もとうと思うたら どんな悪いことしたかて お金ができる。
それでは、ええ花が咲きまへん。
きれいな花、咲かそと思うたらな
その 汗水という水をどんどんやりますのや
それから 苦労という肥やしをどんどんやって
ひとつひとつひとつひとつ 大きしていく
そうすると きれいな美しい花が咲く
あんたも大きいなったらな このおばあちゃんのこころの中に咲く
銭の花を あんた枯らさんように気いつけてくれな あきまへんでっせ」


<!-- 「細腕繁盛記」 -->




2.「どてらい男(やつ)
 1973年から1977年まで関西テレビの企画・制作によりフジテレビ系列で放送された花登筺脚本のテレビドラマ。全181回。もともと関西テレビ放送の開局15周年を記念して制作された連続ドラマだったが、3年半に渡るヒットシリーズとなり、西郷輝彦が俳優としての地位を確立したドラマとなった。しかし、VTRの現存状況については上書きされて残っていないとされている。 ... どてらい男 は西郷輝彦が主演。山善創業者がモデル。

  

<!-- 「どてらい男(やつ)-->



3.「ひょっこりひょうたん島
 これも、白黒時代の映像が紛失している名作人形劇のドラマなのである。こちらは、ビデオテープの上書きではなく、ローカル局に送付している中で紛失してしまったものらしい。この映像が全巻残っていたなら、これは相当な高額の値が付くしろものである。これまた残念。
『ひょっこりひょうたん島』と言う歴史的人気こども人形劇番組は、1964(昭和39)年4月6日<第1回「ライオン王国の巻(上)」>~1969(昭和44)年4月4日<第1224回「流れ流れての巻」>の期間、毎週月曜~金曜日のPM5時45分~6時(15分間~本編正味14分30秒)、NHK総合で約5年もの長期間に渡って人気放映されておりました(凄)…。今、振り帰って考えて見ますと「ひょっこりひょうたん島」と言う長寿番組に関しては、土・日曜日を除いてほぼ毎日毎夕、放送され続けていたのですが、おおよそ約3ヶ月単位くらいで、訪れる王国や個性の強いゲストキャラ達やエピソ~ド内容を違和感無く変更しながらシリ~ズ放送されていた事と、お馴染みの人気レギュラ~キャラ達は、ある意味ワンパタ~ンで変わらなくとも物語展開内容がなんでもあり~だったので、本当にその当時のこども達が毎日楽しく新鮮に視聴できていたように思います。
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<!-- 「ひょっこりひょうたん島」 -->