「ユーロ2008」を制したのは、ドイツを完全粉砕したスペインだった。欧州選手権を制したスペインは、44年ぶりの覇者となったのだ。やはり、ヨーロッパ・サッカーは素晴らしい醍醐味がある。レアル・マドリードを率いるスペインが、44年間、ヨーロッパの覇者となっていなかったことが驚きである。まあ、かなり異国のストライカーたちを集めてのサッカー・クラブなので、これも仕方がないかも知れない。
さて、日本のサッカーは、ワールドカップで、どこまでのし上がっていけるのだろうか?取り合えず、前哨戦では、何とか生き残っているが、今後の強敵たちとの戦いを制していけるのだろうかとの深刻な悩みはある。是非とも、ヨーロッパ・サッカーに負けないアジア魂を見せてほしいものだ。
【記事抜粋】
ユーロ(欧州選手権)2008、最後を飾る決勝はスペインがドイツを1-0で下し、44年ぶり2度目のタイトルを手にした。
もう目をこする必要はない。これは夢でなく現実なのだ。スペインはヨーロッパの頂点に立った。ついに正義が勝った。最高のサッカーがタイトルを勝ち取った。トータルフットボールを成し遂げた選手たちにとって、これは最高のプレゼントだ。44年間待ち続けた至福の時がやってきたのだ。
試合は序盤、ドイツが持ち前のダイレクトサッカーでリズムをつかむ。一方、動きの硬いスペインだったが、セナが中盤をしっかりコントロールし、シャビがゲームを作り始めると徐々にドイツを圧倒。チャンスを次々と作り出す。
まずはシャビのスルーパスを受けたイニエスタのシュートがドイツDFメツェルダーに当たり、あわやオウンゴールとなるも、レーマンが何とかセーブ。次に、右サイドでの素早い連係からセルヒオ・ラモスがクロスを入れるも、トーレスのヘディングはポストをたたいてしまう。
だが、構わず攻め続けるスペインに待望のゴールが生まれる。33分、シャビのスルーパスに反応したトーレスは、マークするDFラームをスピードとパワーで完全に振り切ると、飛び出すGKレーマン横を抜く見事なチップキックのシュート。ボールはゴール左に吸い込まれ、スペインが1-0と先制する。
このゴールがドイツのペースを完全に狂わす。頼みのバラックは、今季のチャンピオンズリーグ決勝を含む国際大会の決勝で3度敗れているのがプレッシャーとなったのか、それとも100パーセントの状態でなかったのか、守備面や審判への抗議でしか目立たつことがなかった。こうなると自慢のパスサッカーを存分に発揮できるスペインだったが、この試合ではゴール前での精度を欠き、追加点を奪えずに前半を終了した。
後半に入っても前半と全く変わりなくスペインが試合を完全に支配。タイトルがスペインのもとへと少しずつ近づいていく。スペインは、セルヒオ・ラモスがヒールキックのシュートなど2度のチャンスを作り、トーレスにもこの日2点目のゴールを狙うチャンスが訪れるが、惜しくも決まらず。さらに全く良いところのないドイツを尻目に攻め続けるスペインは、シャビのFKからセルヒオ・ラモスが抜け出しフリーでヘディングを放つが、GKレーマンが何とかパンチング。シャビのシュートはフリンクスがゴール寸前でクリア。イニエスタの意表を突いたシュートもGKレーマンにセーブされてしまう。その後もトーレスとセナが決定機を迎えるが、あと一歩でゴールならず。
追加点こそ奪えないスペインだったが、大勢には全く影響がなかった。スペインは軸のぶれないプレーでドイツを完全にノックアウトし、反撃の機会を全く与えなかった。
ロゼッティ主審が試合終了のホイッスルを吹くと、ピッチもスタンドもすべてが熱狂の渦に巻き込まれた。カシージャスはウィーンの夜空にトロフィーを掲げ、ヒーローたちもそれに続く。今大会をもって勇退するアラゴネス監督は自身の有終の美を準備していた。何というシナリオだろう。スペイン全土が歓喜に沸いている。グラシアス(ありがとう)、チャンピオン!!
「赤き血のイレブン」映像はこちら>>http://jp.youtube.com/watch?v=yG_zQEcG-bQ