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大自然との共存『狩人と犬ー最後の旅ー』

2008年03月25日 13時34分06秒 | Weblog
 大自然との共存を通して、人間の生きる意味を映像化した素晴らしい映画作品『狩人と犬ー最後の旅ー』(2004年フランス・カナダ・ドイツ制作)を観た。「皇帝ペンギン」「ディープ・ブルー」等自然界にカメラを向け、大自然の様相を映像化した作品を観てきたが、この「狩人と犬」は、そこに人間との拘わりを描いていることに凄さと素晴らしさがある。昔ながらの罠猟を通じて、毛皮を売っての生計を立てる狩人ノーマンの実際の生活を映像化した作品。バックに広がる大自然、動物たちの営み、愛犬(ヒマラヤン・ハスキー犬)の交通事故死、妻・ネブラスカとの生き様等どれをとっても感動の映像に驚きと熱いものが込み上げてくる。その日の生活に必要なものを捕るだけの生き方、それに比べ、森林伐採等人類のやっている事が、自然破壊の背徳である事が映像の随所に感じられる。人間は、自然との共存が必要なのである。流れるナレーションや感動の歌に、心洗われる感じを受ける。しかし、自然である事は、これ程美しいものなのか!!改めて、自然への畏怖と尊敬の念を覚える。

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【解説】
 半世紀に渡ってロッキー山脈で罠猟を続けてきたノーマン・ウィンター。彼はネイティブ・アメリカンの妻ネブラスカと7頭の犬ぞり犬と共に、人里離れた大自然の中で暮らしている。ノーマンとネブラスカは猟を通じて生態系を維持し、自然を守る猟師の仕事に誇りを持っている。そして何よりも、ほぼ自給自足の自由な暮らしと自然を愛していた。しかし森林の伐採によって、年々動物は減少。山を降りることを考え始めた2人に、リーダー犬の死が追い討ちをかける。
 ロッキー山脈最後のトラッパー(罠猟師)、ノーマン・ウィンターが本人役を演じるドラマ。とはいえ彼の仕事ぶりや日常、自然の美しさを丁寧に捉えた作品になっており、ほとんどドキュメンタリーを見る感覚だ。薄氷の割れ目に犬ぞりごと落ちるエピソードも、彼の実体験の再現。リアリティのある物語、本人だからこそ説得力のある台詞など、自然と寄りそって生きる人間の姿を等身大で見せてくれる。ニコラス・ヴァニエ監督自身も、わずか20歳でラッブランド大平原の徒歩横断を成功させるなど、数々の偉業を成し遂げたフランスの著名な冒険家。それだけに自然と人間の関係性描写に哲学的な深みがあり、考えさせられる。相棒として大活躍する犬たちも素晴らしく、犬好きは必見だ。

・ノーマン・ウィンターはカナダの北極圏、ユーコンの大自然の真っ直中に住む狩人だ。すでにかなりの高齢だが、夏はカヌーで川を下り、冬はスノーモービルではなく犬ぞりで移動しながら、伝統的な狩猟を糧に生活している。本作は自らも高名な冒険家であるニコラス・ヴァニエ監督が、“最後の狩人”と呼ばれる男の生き様を綴ったネイチャー・ロマンというべき作品だ。純粋なドキュメンタリーではなく、犬ぞりを引くシベリアン・ハスキーとの交流をドラマ仕立てで盛り込み、文明社会と決別したノーマンの孤高を浮き彫りにしている。森林の伐採による野生動物の減少という環境問題も提起されているが、基本的には堅苦しい映画ではない。四季折々のユーコンの風景は圧倒的な美しさで、先住民の奥さんとの同居生活にはほんわかとしたムードが漂い、友人と旧交を温めるヒトコマには寂寥感が滲む。それに何より犬の表情や仕草が豊かで可愛らしく、そんじょそこらの俳優には敵わない年輪が刻まれたノーマンの顔が味わい深い。少々あざといドラマのパートよりも感動的な瞬間を幾つも発見できる。(高橋諭治) (PREMIERE)
kariudo.jpg・「狩人と犬ー最後の旅」公式サイト>>http://www.kariudo.jp/
・映像トレーラー>>http://www.apple.com/jp/quicktime/trailers/gaga/kariudo/

素晴らしい空中撮影『ナイト・オブ・ザ・スカイ』

2008年03月25日 02時58分23秒 | Weblog
 フランス版「TOP GUN」と言える映画作品が、『ナイト・オブ・ザ・スカイ』(2005年フランス制作)である。この映画は、さすがに、フランス空軍の全面協力で撮影されただけあって、CGやVFXでの映像に見飽きたファンにとっては、たまらない空中撮影シーンの連続である。雲の中、水滴のカメラレンズへの付着模様、ミラージュ戦闘機同士の空中戦等、見せ場が多い映像作品である。

【解説】
 イギリスの航空ショーに参加していたフランスの主力戦闘機ミラージュ2000がショーの最中に忽然と消息を絶つ。この非常事態に対応したのは、仏空軍のマルシェリ大尉とヴァロワ大尉。二人は旅客機の影でレーダーから逃れるミラージュを発見。たちまち三機のミラージュによる壮絶なドッグファイトが始まるが、油断したヴァロワが敵機の照準にロックオンされる。司令部から追撃中止命令が下る中、マルシェリはとっさの判断で敵機を撃墜。責任を問われた二人は軍籍を剥奪されてしまう。だが事件の裏には国家を揺るがす陰謀が潜んでいた。

『TAXi』のジェラール・ピレス監督最新作。迫真のカー・アクションで世界を熱狂させた前作に続き、今作では大空を縦横無尽に疾駆するスカイ・アクションに挑戦。徹底的に実写の魅力にこだわったフライトシーンは、仏空軍の全面協力の下、本物の戦闘機ミラージュ2000の翼下に遠隔操作キャメラを何台も搭載して撮影。スピード、臨場感はもちろん、千々に流れる雲や空気の震えなど、空の質感をダイナミックにとらえた映像は感動的、CGに慣れた観客の度肝を抜くだろう。主演は『ピアニスト』でカンヌ映画祭男優賞に輝いたブノワ・マジメル。近年はフレンチ・アクションの立役者へとイメチェンしつつあるが、そのたたずまいには文芸映画仕込みの気品が漂う。ハリウッドのマッチョな主人公とは異なるアンニュイなヒーロー像にも注目して欲しい。