アッくんの長岡京新聞社

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アッくんの『乙訓寺の空海』第八話 『独鈷水』

2012年02月14日 | □ 長岡京市の伝説(ベイツガァーさん)
平成24年2月14日(火)

 空海とアッくんは明星水のお香水を嵯峨天皇に贈ったが・・・

「嵯峨天皇さまはすっかり元気になられたようで良かったですね
「うむ。お香水が効いたかもしれないな」

 空海とアッくんは人里離れた柳谷の山中に来ていた。



「ここですか?
「そうじゃ。ここに十一面千手千眼観音菩薩さまが祭られておる」

 今の柳谷観音(揚谷寺)である。

「アッ!サルですよ
「母子のようじゃ」
「母ザルが手で水をすくって 子ザルの目を洗っていますよ
「うむ」
「アッ!子ザルの両目がない
「なんとか目が見えるようにしてあげたいのであろう」
「そのようですね
「何と 何と健気な・・・」

 その日から空海は 柳谷に参っては母子ザルのためにお祈りしたのであった・・・
 母子ザルは毎日 柳谷の清水をすくっては目を洗っていた。
 そして17日目のこと・・・


「空海さん!子ザルの目を見てください!
「見えるようになったか?」

 子ザルの目があいたのである。
 母子ザルは大喜び


「こっちがうれしいです(グスッ)
「そうじゃな。よし。この水を人間にも効くよう
 拙僧がお祈りしよう」

 空海は17日間 独鈷(どっこ)を使ってお祈りした。
 すると・・・
 万人に効く『霊水』が生まれたのである。




「ところで 空海さん・・・
 独鈷(どっこ)って何ですか?

 つづく