アッくんの長岡京新聞社

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アッくんの『乙訓寺の空海』第七話 『明星水』

2012年02月07日 | □ 長岡京市の伝説(ベイツガァーさん)
平成24年2月7日(火)

 空海とアッくんは乙訓寺のミカンを嵯峨天皇に贈ったが・・・

「空海さんが嵯峨天皇さまに贈られた
 乙訓寺のミカン
 天皇さまはお喜びのようで よかったですね
「うむ。しかし・・・
 嵯峨天皇さまは お体の具合が良くないそうじゃ」
「病気ですか・・・
「早く元気になってもらいたいのぉ・・・
 そうじゃ! お香水を贈ろう」
「お香水?
「病気に効く伝説のお水じゃ。
 その昔
 第33代推古天皇が病気になられたとき
 お香水を飲めばたちまち元気になられたという伝説がある」
「それはいい贈り物になりそうですね
「さっそく参ろう。アッくんさんも一緒にどうじゃ?」
「承知しました!



「ここじゃ ここじゃ
 こうやってお香水を汲んで・・・
 おや?水面に明星が映っておる
 これはよい。

 そうじゃ!

 この地は『明星水』と名付けるぞ」
「明星水???
 そう言えば 長岡京市に明星水自治会っていうのがありますよ
「何の話じゃ?」
「いえ。別に・・・
「おそらく この地は
 将来 病気に効くとウワサになり
 大勢の人々が集う場所になろう」



 空海の予言どおり
 明星水は
 大正時代になって ブームに火がつき
 連日 大勢の人々が お香水を求めて集ったが
 新聞に「あれは効かない」と中傷記事が載り
 わずか3ケ月で ブームは去ったのである。


 つづく

(写真は明星水跡の標識です)