ヤマトはきれいな長い毛をした黒猫です。
今日は初めて海に、魚を捕りに行くのですね。
ヤマトは魚が大好物なのです。
* * *
「じゃあ、行って来るよ!」
「気を付けてね。美味しい魚、待ってるからね。」
「うん、今日は魚のフライだよ!!」
ヤマトとマルダヌキはみんなの声援を受けながら、海に漕ぎ出しました。
「なんだかこの船、今にも沈みそう . . . 本文を読む
寝て・・・
(ようやく春になったのヨ。)
暑くなると移動して・・・
(タヌキは四つ足なのじゃ。)
また寝る。
(タヌキ寝入り暁を覚えず、なのヨ・・・)
「あんなに一日中寝てばかりじゃ、体に悪いなあ。・・・」
「タヌキがウシになっちゃうわよ。スヌーピー、何か言ってあげたら?」
(ふん、24時間睡眠に耐えられる頑健な体を持ってるのじゃっ!)
「うぅん・・・そうだ! いいこ . . . 本文を読む
太古の昔より大噴火を起こし続けて来た環太平洋火山帯。その北の端に近く、三陸海岸沖合い20mの地点にマルダヌキ島はあります。
実はマルダヌキ島は1日に2回だけ干潮時に、砂州が現れて本州と陸続きになるのです。
(猫家の一族は、この時に歩いて島に渡って来たのですねぇ。・・・)
今はちょうどその引き潮の時。おや? 海岸をスヌーピーがリヤカーを引いて歩いてますね。
さてさて、今日はどんなお話があるのでし . . . 本文を読む
太古の昔にムーの文明が栄えた太平洋。その中にセント・マルダヌキ島はあります。
えぇっと、文献を見ますとですね、・・・島はキング・マルダヌキが支配している模様です。なんだかとても恐そうな名前ですね。それでは島の様子を少し覗いてみましょうか。
それでは、始まり、始まり・・・
(あたしが、キング・マルダヌキなのヨッ!)
昔、島に渡った猫家の一族は、決して豊かではないこの島で生きていくために、 . . . 本文を読む
黒潮渦巻く太平洋、その中にマルダヌキ島はあります。
どうしてマルダヌキ島っていう名前なのかって・・・? それは残念ながら私にもわかりません。
きっと遠洋航海の船乗りたちが、双眼鏡を覗いたら浜辺で日光浴しているタヌキでも見つけたのでしょう。詳しい話はまた今度調べて来ますね。
今はともかく、ある日のマルダヌキ島の様子を、物陰からそっと覗いてみることにしましょうね。
* . . . 本文を読む
マルダヌキは、朝早くから興奮していた。
昨夜、町の「虎場亭」で見たスノーキャットの甘く切ない歌声が、いまだ脳裏を離れないでいるのである。
あぁ、なんて素晴らしい声だろう。それにあの触れれば折れそうなたおやかな体の線。
マルダヌキにとっては、憧れを絵に描いたごとくに映るスノーキャットの甘く憂いを含んだ姿は、あの晩の彼女との出会いと同時に、心の奥深くに焼き付けられてしまったようだ。
それと、あの窓 . . . 本文を読む
クマは昔、町で出稼ぎしていた頃の友人、とらケン(今は「とらばたろう」と名のっている)に手紙を出した。
それは、クマが生まれて初めて書いた手紙だった。
おう、元気か。
オレだ。久しぶりだな。
この前は招待状、ありがとよ。
あれからおまえの働いてる「虎場亭」に行ったよ。
おまえは、相変わらずだったな。
ちょっと、立派になった。
あんまし久しぶりなもんだから、
もしかしたら、オレはおまえがわかんな . . . 本文を読む
おう、おやじ、いるかい?
おお、相変わらずじゃネエか。
あぁ、オレは見ての通りさ。ぴんぴんしてらあ。
今日は、ジャガイモひと箱持って来たんだ。
ここの肉じゃがは最高だもんな。
おい、マルダヌキ、それをこっちに降ろしな。
さあ、今日のところはこれで飲ましてくれや、おやじ。
この間昔の仲間に会って来てさ、
ああ、おやじも知ってるよナ、
あの、チェロ弾きの、とらケンさ。
アイツあ、随分立派になって、 . . . 本文を読む
どうだ、いいとこだろう。
ここは昔オレが出稼ぎしてた時に、
よく来た店なんだ。
安いし食い物も美味いし、
なんてったって、雰囲気がいい。
どことなく、落ち着けるだろう。
オレの気に入りなんだ。
ホラ、あのネエちゃんなんか見てみなよ。
この店の娘は、昔っから愛嬌がいい。
尻尾の先のリボンが可愛いなあ。
それに、ほっぺがちょっと赤いとこなんか、
りんごみたいで、うまそうじゃないか。
もしかしたら今は . . . 本文を読む
前記事『戦争を起こす自分』を読んでない方は、まずそちらを先に読むことをお勧めします。
のお、マルチョ。
まことに世に争いは絶えぬ。
こうしてふたり、既に幾月も諸国を巡ったが
どこであれ、諍いや喧嘩、戦のない町は無かったであろう。
争いは人の心の中にある。
昨日話したこと、ゆめ忘れてはならぬぞ。
さて己が、争いの心をどこに宿しているかじゃが、
それはの、己の日常をよく見ればわかるのじゃ。 . . . 本文を読む
とある山里に、貧しいながらも明るく助け合って暮らしている猫家という家がありました。
ある日裏の笹薮から不気味なウメキ声が・・・
マンガ「マルダヌキ物語」は、私が雨や雪の日に少しずつ描き溜めてきた猫家を舞台にした物語です。
長い間「働くこと」を美徳としてきた日本の家庭に、まったく違った価値観を持った存在が入り込んできたら、どうなるでしょう?
これは国際化、多様化が進んだ現在実際に起こっていることで . . . 本文を読む