全ネコヘビー級チャンピオン、クーマ・フトリスギッチ選手、堂々たる入場です!
さあ、今夜は猫家庭先特設会場におけるノン・タイトル非公式マッチ、我らがヒーロー・クーマ選手、いったいどんなエキサイティングぶりを見せてくれるのか!?
あっ、西の花道から、対するマルダヌキ・ハライ . . . 本文を読む
親指タヌキはチューリップの花びらの中がお気に入りです。
くすぐったい花粉の香りも素敵ですし
ふわふわのおしべを布団代わりに、眠ることもできます。
今日も親指タヌキが花の中でくつろいでいますと
ミツバチさんが飛んできました。
それを片目を開けて見ていた親指タヌキは
さっ、と「ただ今満員」と書いた看板を持ち上げます。
花びらの中に少しの空きも無いことを見て取ったミツバチさんは、
ちょっと残念そうに旋回 . . . 本文を読む
セーヌの流れは淀みなく
ひと時の幸せも輝きも、何ひとつ残すことなく運び去ってしまう
そしてここにはただ
涙で濡れた追憶だけが残される
モンパルナスの古い町並み、シャンゼリゼの淡いガス灯・・・世界中から若さと熱情を吸い取って燃焼し尽くした、あの頃のパリは名実ともに私の第二の故郷だった。私は日夜カフェで若き画家たちと芸術論を戦わし、気の利いたサロンで貴婦人方と美貌を競い、ま . . . 本文を読む
「ねえ、マルダヌキ。月がとてもきれいだね。」
ロッキーは杉の梢の上のまんまるいお月様を見ていいました。
昼間の暑さも遠のいて、今は爽やかな風がふたりの頬を撫でていきます。
「ねえ、タヌキって、魔法を使えるんだろう?
ボク、もっともっとあの満月に近づいてみたいんだけど、できるかな。」
マルダヌキは少しの間腕組みをして考えていましたが、ようやく思い切ったように言いました。
「いいワ。じゃ、とっておき . . . 本文を読む
クマは猫家の居候です。そして、この界隈の猫のボスでもあります。
なんたって、強いのです。
しかしボスというのは大変です。たくさんのことをしなければならないので、いつも大忙し。
それにとてもモテたりします。
そういうわけで、クマはいつもはお気に入りのシロちゃんの家にいることが多いのでした。
しかし今日は猫家に帰るところです。
「3日ぶりだな・・・」
「おぉい、帰ったよ。」
「あら . . . 本文を読む
山が・・・アタシの山が無くなっていく。
人間たちは恐ろしい速さで木を片端から切り倒していった。
アタシはそれを隠れてそっと見ていた。
けれど、なぜか見つかってしまった。
アタシは追われて・・・
とうとうここまで来てしまったのヨ!! ヨヨ・・・
うっ!・・・そうかい、マルダヌキ・・・
グスン・・・
そういえば、今裏山からパルプが伐り出されてるよなあ・・・
そ . . . 本文を読む
人間たちは1週間のうちに隣り山の木をみんな伐ってしまった。
丸裸になった山には後で杉の苗木が植えられたけど、
だけどそこにはもう誰も住めない。鳥も獣も、虫たちも、杉だけの山には住むことができない。
その山にいた動物たちはアタシの山の方に避難して来て・・・アタシたちはなんとか食べ物を分け合って生きようとしたけど・・・
でもふたつの山の生き物たちが住むためには、この山の食べ物は絶対的に足りなか . . . 本文を読む
「やっと人心地がついたみたいだね。・・・」
いや、たぬき心地と言って!
「ねえ、どうしてあんなところに倒れていたんだい?」
「そうね・・・話せば長くなるけれど・・・」
アタシはこの向こうの笠根山に住んでいた。みんなはアタシのこと「マルダヌキ」と呼んでいる。
マルちゃん、と呼んでいいワヨ!
そう、もう長い間・・・多分アンタたちが生まれる前からじゃないかな、アタシはその山で結構快適に暮らして . . . 本文を読む
「いただきま~す!」
初夏の色濃い山里の昼下がり、体の疲れをホッと弛めながら、
今日も猫家の憩いのお昼ご飯が始まるのでした。
「これこれ! ご飯の時に喧嘩しないの!」
その時・・・
ズシンッ!!
「うわっ! なんだ!?・・・」
「隕石の墜落か、原子爆弾か・・・?」
「多分、裏の笹薮辺りに何か落ちたのよ。・・・」
「うん、いったい何だろう? 確かめないといけないね。」
「・・・ . . . 本文を読む
昔、京の都の五条大橋に、夜な夜な妖しい山法師が出現しました。
「タヌキ坊弁マル」と名乗るその法師は、自分より弱い者を見つけては、何でもいいからかっぱらうのです。都の人たちはそれにたいそう腹を立てていました。
幾度かみんなで懲らしめてやろうとしたのですが、弁マルは意外と逃げ足が速くて捕まりません。どうしても最後には見失ってしまうのです。(見失ったその場所には、いつもなぜかタヌキの大きな置物が置いて . . . 本文を読む
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
菜の花畑の丘の上
そこに猫家はあったとヤー
家は狭いが子だくさん
みんななかよく暮らしてた
ハァ!
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
ある日楽しいお昼時
そこへ山からマルダヌキ
ヤァーーーーー エイッ!
ドドンガドン ドン ドドンガドン
・ . . . 本文を読む
ああ・・・きれいだね。
そうだな。・・・
なんだか天国にいるみたい。
こうして見てると、目が回りそう・・・
ひさかたの 光のどけき春の日に・・・
えっ?
しづごころなく 花の散るらん
なにそれ? スヌーピー。
うん、これは昔の歌で、
桜の花が散るのを見て心が騒ぐ、と詠ったものなんだよ。
へえ~~~。なるほどなあ・・・
しづごころなく・・・
あぁっ! . . . 本文を読む
(前略)
芭蕉、明に藤沢の宿を発ちて湘南の浜に至れり。
ふと彼方を見やると、高波の間に間に漂うものあり。
驚きあやしみて詠める歌。
江ノ島や タヌキもすなり さぁふぃん
さすが当世流行の地はかくもあらんといたく心に留めけり。
・・・そんなんじゃ、ないのヨッ!!!
. . . 本文を読む
・・・・
え!?
マルダヌキ・フランソワ・ハラヘリーヌ・・
あ、あなたは・・・
長き間待たせてすまなかった。・・・
ジャン・ジャカジャン・ドゥ・ポンポコ様っ!!
約束の時は来たり。
我が麗しのドゥルシネーアよ、今こそ共に行かん。
は、 ハイッッッ!!(嬉涙
うわぁっ!!! マ、マルダヌキっ!
うげえっ!・・・
や、やめてくれえ . . . 本文を読む