時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

宿題代行、夏休み最後に依頼殺到

2007年09月04日 | 社会問題
「読書感想文」から「自由研究」まで、子供たちの夏休みの宿題を片づける「宿題代行業者」が登場し、論議を呼んでいるという。メールなどで依頼を受け、アルバイトの学生らが有料で請け負う。批判の声をよそに、多くの小中学校で夏休み最後には「駆け込み依頼」が殺到しているという。
インターネット上で宿題代行サイトを主宰するのは大阪市内の20代の男性。サイトには東大、京大、阪大など全国の有名大学の学生らが多数、登録している。
算数の文章問題は1問500円、読書感想文は2万円。子供向けだけでなく、大学生のリポート(2万円~)や卒業論文(30万円程度)まで幅広く手掛ける。
夏休みの宿題の定番である工作(5万円)や自由研究(2万円)も請け負っており、これまで実際に「アリの研究」や「河川敷の水質調査」などを提供したという。
依頼するのは主に親たちで、「子供の宿題が期限に間に合わないから」と切羽詰まった理由が多いという。なかには小学生本人が依頼することもあるという。メールやFAXで受けた依頼を登録学生に発注。高額バイトとして一部の学生に人気があり、中には月20万円以上稼ぐ学生もいるという。
繁忙期は当然夏休みで、問い合わせが普段の約3倍になる。今年はこれまでに、小学生の夏休みの宿題だけで約40件の注文があったという。
こういうビジネスを立ち上げるのもいかがかと思うが、これを利用しようという親の心理もわからない。子供のためにならないことは明瞭ではないか。しかも、子供からの注文があるというからあきれてしまう。
何でもお金で片付けてしまおうという考え方にも驚くばかりである。
編集長も、宿題の絵日記には苦労した記憶がある。母親に叱られながら夏休みの終わりになって必死で書き上げた記憶がある。
宿題とは、そもそも家庭での学習習慣を身につけるために行うものであり、できなかったらできなかったで、学校で少し恥をかけばよいだけのことである。そういう経験を通して、子供も計画的に宿題をやる必要性を理解するようになるのである。
大人の世界に蔓延している「拝金主義」、「金銭至上主義」を子供の世界に持ち込むことだけは避けなければならないであろう。