時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

支離滅裂の公明党

2007年09月21日 | 政治問題
公明党が、総裁選翌日に自民党と行う政権協議で、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を平成23年度までに黒字化することなどを盛り込んだ財政再建目標の延期を求める方針を固めたと報じられている。
高齢者の医療費自己負担増を凍結するなど、社会保障政策の見直しも求める方針だという。安倍晋三首相の辞任表明に伴う自民党内の混乱に乗じて国の財布の口を緩め、弱者に優しいという党のイメージを鮮明にしたい狙いがあると言われている。
しかし、これは単にイメージだけの問題ではない。
公明党は、政権与党として、自民党単独ではできないことまで積極果敢に取り組んできた。
住民税の定率減税廃止を真っ先に提案したのは、他ならぬ公明党である。
また、今回、凍結を求めるという高齢者の医療費自己負担増も、自民党単独ではできなかった悪政の1つである。また、教育基本法の「改悪」や憲法改定に道を開く投票法案、防衛省格上げ法案の強行採決にも積極的に協力してきたのが、この政党である。
したがって、単にイメージが悪くなっているというような単純な話ではなく、平和の看板を投げ捨て、国民に負担を押し付ける先頭に立ってきたにもかかわらず、平和の党、福祉の党などといって、支持者や国民をだまし続けてきたというのがこの党の実態なのである。
しかも、今回の提案もどうしようもない。
いま、長期、短期の国の借金は、約800兆円、対GDP費で160%にもなっている。地方の自治体の借金を含めれば、1000兆円を超えると言われている。財政破綻に直面する地方自治体も多いと言われているが、それを援助する余裕は国にもない。要するに、日本の財政再建は焦眉の急であり、これ以上の先送りは、財政破綻を引き起こすことは確実だ。
要するに、財政政策を大本から転換し、無駄を徹底的に省き、同時に、GDPの約6割を占める国民消費を応援する、国民生活を下支えすることによって景気の回復を図ることこそが求められている。景気回復などと言っても、大企業しか恩恵を受けられないような景気浮揚策は無策の極みである。
財政再建か景気回復か、財政再建の先延ばしか国民福祉の充実か、といった諸々の二者択一の政策では、結局、日本経済を再生することはできず、財政規律も正常化できないのは明らかである。
無駄な大型公共事業を直ちにやめ、軍事費の大幅削減、史上空前の大もうけをしている大企業、富裕層への増税、法人税への定率減税の廃止など、すぐにでもできることは多い。政党交付金を返納することなど、政党として直ちにできることもある。
このように、新たな財源の確保、不要不急の支出の中止などを大規模に進めるとともに、来年4月からの後期高齢者医療制度の延期、子供の医療費の無料化、所得税、住民税の定率減税の復活など、国民のふところを直接暖めることによって、景気の浮揚を図ることだ。
今回の公明党の提案は、党のイメージの回復を狙うだけの愚策であり、到底受け入れられないものである。
政権与党として、もう少しまともな提案ができるよう、日本の財政の現状や経済運営について勉強してはどうだろうか。お題目を唱えていても、けっしてまともな政策は浮かばないのである。