時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

黄砂の季節

2007年04月03日 | 環境・食料問題
中国からの強い偏西風に乗って、日本に黄砂が運ばれて来ている。晴天の日でも視界が著しく遮られるなど日本にも大きな影響を及ぼしている。特に、関西方面では被害がひどいとの報道である。
以前に、テレビで中国のモンゴル自治区の東部を取材した番組を見たことがある。砂漠が西からどんどん押し寄せてきて、今まで牧草地や畑だったところに、ずんずんと黄砂が積もり、やがては砂漠に飲み込まれてしまう。
それを防ぐために、その地域の住民や学校の生徒たちが、植林を行っているのだが、とにかく広大な地域であり、焼け石に水のような取り組みだ。おそらくこの地域の西部にはもともとは牧草地や畑が広がり、多くの住民が住んでいたことであろう。しかし、今では砂漠に飲み込まれて、仕方なく土地を捨て、この地域から去って行ったのではなかろうか?
わざわざ、砂漠に飲み込まれるかも知れない、仮に飲み込まれなかったとしてもそれほど収穫も望めない痩せた土地にしがみついて生きていく必要はないと考えるのが人情というものであるが、未だに住み慣れた土地を離れられず、必死に砂漠化を食い止めようとする人たちの努力に頭が下がる思いがした。
こういう自然の猛威に対して、現在の人類の科学力や経済力は非常に無力である。
これが地球環境やこれらの地域社会にとって非常に大きな問題であることを十分に認識していても、それを防ぐためには莫大な経費がかかり、しかも、現在の科学力では完全に防ぎとめることもできないのだから、誰もこんなことに資金を投じようとはしない。
その結果、地域の住民やわずかばかりのボランティアが、こういう自然の猛威に立ち向かわざるを得ないのが現状である。
砂漠の緑化への取り組みだけでなく、砂漠の砂を大量に活用する新しい技術の開発などで、日本政府や企業が貢献できることも多いと思われる。
地球規模の環境破壊に、日本の高い技術力や経済力が使用されることを希望するものである。