時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

心配事の多い社会

2007年04月22日 | 国家破綻
相変わらずホームページやブログ上で、国家破綻、財政破綻ネタはにぎやかである。
以前から書いていることだが、大変残念なことにそのほとんどが投資話、儲け話や資産の海外移転話などである。国家破綻に至らないために何をすべきなのかもっと考えるべきではないかと思っている。
戦後60年のほとんどの期間にわたって、自民党がこの国の政権を担ってきた。その政権による財政運営の結果、今日のような破綻寸前の財政になってしまった。国民の税金で開発を続け、企業に莫大な恩恵をもたらし、このお金の一部が賄賂あるいは政治献金として自民党に還流されてきた。これは単純な歴史の真実である。
しかし、多くの国民は、未だに自民党を含む連立政権を支持し、相変わらずの借金財政が続けられている。こういう政権が続く限り、国家破綻の可能性はますます高まるだろう。
国家破綻ネタで盛り上がっている人たちは、そういうことも十分に理解しているが、他の多くの国民が腐り切った自公政権を支持していることに愛想をつかして、それならせめて自分だけは国家破綻に備えて準備しておこうと思って金儲けに走るようになったのだろうか。もしそうなら、やむを得ない事情というべきかもしれない。
一方、未だに自公政権を支持しながら国家破綻を心配している方は、その思考回路を分解して点検されることを強くお勧めする。
現在のような財政運営が続けば、国家破綻というのはあり得ない話ではない。あるかもしれない話だ。そのために何か準備できることはないか、と考えることは一般庶民の素直な感情である。
しかし、国家破綻のためにお金を貯めておこうというのは、もし泥棒に財産を盗まれたら、もし災害で財産を失ったら、もし家族が大病にかかったら、もし交通事故に遭って半身不随になったら、もし万一・・・と心配するのと同じことである。
お金はないよりあったほうがよい。さまざまな「もしも」の時のために、せっせとお金を貯めておこうという気持ちはよく理解できるが、やはりそれらの原因を1つ1つ断ち切らなければ不安のタネはいつまで経っても消えないのではなかろうか。
ところで、国家破綻ネタのホームページやブログで盛り上がっている人たちは、国家破綻に備えて一体いくらお金を貯めようと思っているのだろうか。
まさか1億円程度ではあるまい。
こういう記事によると、ハイパーインフレで物価は年に10倍、20倍にまでなるそうなので、現在の1億円は500-1000万円程度の値打ちしかなくなる。これでは1-2年も暮らせるかどうかという程度のはした金だ。
もちろん、1億円を外貨で、あるいは海外に移転しておけば、全額保全できるかもしれないが、外貨をタンス預金していてもし盗難に遭ったら、外貨が暴落したら、混乱期に引き出せなかったら、海外の銀行が倒産したら、自分が死んで引き出せなくなったら、・・・と次々と心配事が増えることだろう。
もし、本気でハイパーインフレを心配し、国家破綻に打ち勝つような資産を作るのなら、せめて10億円くらいのお金は必要だろう。これなら、少々のことではビクともしない。破綻ネタで盛り上がっている皆さん方には、是非とも頑張っていただきたいと思っている。
もっとも、あまりに貯め込むと、ほとんど使い切らないうちに死んでしまうかもしれないという重大かつ新たな心配事が増えるに違いない。