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●原発意見聴取会: 広告代理店に丸投げ

2012年07月21日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071802000110.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012071802000115.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012071802000083.html)。そして、gendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/137641)と、最後に、もう一つ東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072090070537.html)。

 昨夜も、官邸前をはじめ、日本中の多くの場所で、原発再稼働反対や原発No!の声が鳴り響いた。鳩山元首相まで現れ、直ぐにムダ首相に直談判することをスピーチ。でも、その後どうなったのやら? 脱原発依存ドンカン前首相は何の動きも見せないのは、なぜ?

 さて、原発意見聴取会。やはり、広告代理店に「丸投げ」だったようだ。これを丸投げといわずして、何を丸投げというのだろう。まったくの茶番で、ご意見聴取の既成事実づくりのムダな行事。呆れるのを、既に通り越している。
 電力会社社員の「放射能の直接的な影響で死んだ人は一人もいない」発言に怒りを覚える。原発労働者や酪農家の死は、「直接的」な影響ではないので、東京電力・電力会社には責任がないとでも言いたげで、知性を疑う。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」

相馬市の酪農家のこの悲痛な叫びを見ても、何も感じないらしい。何も聞こえないムダ首相やムダノ経産相のような「馬」さんや「鹿」さん同様、救い難い人たちである。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071802000110.html

聴取会その場しのぎ対策 短時間・質疑なし変わらず
2012年7月18日 朝刊

 将来の原発比率をどれくらいにするか、政府が国民の声を広く聴く会で電力会社の幹部らが発言した問題で、政府は十七日、電力会社関係者には意見表明をさせないなどの対応策を明らかにした。しかし、質疑応答や発言者同士の意見交換などはなく、時間も二時間程度という対応は相変わらず。その場しのぎの対応に終始し、国民的議論を深めようとする姿勢は一向に見えてこない。
 この日、古川元久国家戦略担当相が明らかにした対応策は、(1)発言者から電力会社や関連会社の社員は除外する(2)発言者数は九人から十二人に増やし、0%案の発言者などに配分(3)二〇三〇年時点の原発比率0%、15%、20~25%案以外の比率についての発言も認める-の三点。(1)(2)は二十二日の札幌、大阪会場、(3)は二十八日の富山会場から実施するという。
 しかし、今回の意見聴取会が抱えている問題は、原発問題の当事者でもある電力会社の人が発言していいかどうかだけではない。事前に抽選で選ばれた人が一方的に意見を表明するばかり。政府に原発比率の案をただしたり、傍聴者も議論に参加してそれぞれの考えを理解したりして、国民的議論を深める運営になっていない。
 古川氏は「傍聴者はアンケートやパブリックコメントで意見を寄せてもらいたい」とかたくなな姿勢。
 発表者は十二人に増え、増えた三人の発言枠は、圧倒的に多い0%案の発言希望者に割り振られる。それにより、0%案の発言希望者が発言の機会を得る確率は、15%や20~25%案の希望者より大幅に低い問題は多少緩和される。だが、国民的議論をわずか二時間で済ませてしまおうという根本的な問題は改善されない。
 また、政府が、四十年廃炉や、原発の再稼働は安全かつ電力が足りない地域向けに限定するとの自らの約束を守るなら、三〇年時点の原発比率は15%はあり得ず、5%程度となるはず。しかし、政府は三案以外は出そうともせず、発言者が案を言うのはかまわない、との姿勢だ。
 仙台市の会場で傍聴した病院事務職平尾伸二さん(50)は、政府の対応に「シナリオを説明され、疑問に思ったことを聞く機会も与えられなかった。発表人数を増やしても、質疑や意見交換できなければ理解は深まらない」と話した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012071802000115.html

【社説】
原発意見聴取会 国民的議論に値せず
2012年7月18日

 福島原発事故を経て、私たちは変わらなければならないはずだ。国民的議論の上で未来のエネルギー政策を決めるというのも、その一つ。だが、政府も電力会社も、その体質は変わっていない。
 これが、国民的議論の実態なのだろうか。
 仙台市で開かれた二回目の意見聴取会から、迷走が始まった。東北電力の執行役員が「会社の考え方」として、堂々と原発推進論を開陳した。翌日の名古屋でも、中部電力原子力部の課長が「放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいない」と述べた。
 聴取会は二〇三〇年の原発依存率について、あらかじめ政府が提示した0%、15%、20~25%の三案を支持する応募者の中から、各三人ずつを選んで意見を聞く。両会場とも、発言を希望した人は、0%支持者が圧倒的に多かった。
 全国十一カ所の意見聴取会は、普通の人の声を聞く貴重な機会であるはずだ。
 電力会社の幹部といえば、意見を聞いて参考にする立場である。それが、真顔で「会社の考え」を述べるとは、考え違いも甚だしい。消費者の心の内などわきまえない巨大電力会社の実態が、透けて見えるようではないか。
 選んだ政府も政府である。このように疑問と不信を招く聴取会にしたことに、政府の不実、不熱心すら想像される。電力会社の本店所在地に偏った会場の選び方といい、はじめに結論ありきの「やらせ」、あるいはただの「通過儀礼」ではないのかと、疑問を持たれても仕方がない。
 九州や北海道で開かれたプルサーマル発電の導入をめぐる公開討論会やシンポジウムなどに、電力会社社員が動員されたやらせ問題は、まだ私たちの記憶に新しい。
 そもそも、全国で百人足らずの意見を各八分間、しかも三者択一で聞いて、一国のエネルギー政策を決めようという基本姿勢に無理がある。同時に募集中のパブリックコメント(意見公募)が、どのようにいかされるのかも定かでない。
 政府は今後、電力会社の職員は意見表明をできなくし、発言者の数を若干増やす。だが、その程度では、もう国民の多くは納得しない
 国民的議論と言うのなら、今は結論を急がす、原発推進、反対、中立などさまざまな主体が運営する議論の場をもっと数多く開催し、不信の溝を丁寧に埋めていくしかない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012071802000083.html

【コラム】
筆洗
2012年7月18日

 まるで、呪文のように原発推進派から吐き出される言葉がある。「放射能の直接的な影響で死んだ人は一人もいない」。福島第一原発の事故で放出された大量の放射能の影響が将来どんな形で出るのか、専門家の間でも意見が分かれているが、そんなことは関係ないらしい▼逆に想像してみたい。事故がなかったら、どれだけの人が死ななくて済んだか。国会事故調査委員会によると、事故直後の約三週間、避難区域になった二十キロ圏内の病院と介護老人保健施設で、少なくとも六十人が避難後に死亡したという▼農業や酪農の先行きを悲観した人、職を失った人、避難生活のストレスでうつ病になった人…。多くの人が自ら命を絶ったその姿は想像できないようだ▼将来の原発比率はどうあるべきか。政府主催の意見聴取会(名古屋市)でもこの呪文が飛び出した。個人の意見として「放射能で死んだ人はいないと言い切ったのは、20~25%案を支持した中部電力の課長だ▼仙台市の意見聴取会では、社の意見を代弁する形で東北電力の部長が原発の維持を強く訴えた。利害当事者側が「国民の声」を名乗ることに強い違和感を覚える▼これまでの聴取会は、選ばれた発言者が持論を述べるだけだった。政府が目指すという国民的議論からはほど遠い。「議論は尽くした」というアリバイ工作に利用されてはたまらない。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/137641

原子力ムラ墓穴 「原発ゼロ」断然強まる
2012年7月18日 掲載

エネ政策「聴取会」

<電力社員の「放射能で死者いない」が怒りに火

 いまさら遅すぎるというものだ。将来の原発比率をどうすべきか、国民から直接意見を聞く「聴取会」について、野田内閣が「今後は電力会社の社員は参加させない」とルールを変更した。
 16日まで、「排除は難しい」とエラソーに語っていたが、さすがに国民の強い批判に抗し切れなくなったのだろう。
 そもそも「聴取会」は、2030年時点の原発比率をどうするか、政府が提示した(1)0%(2)15%(3)20~25%の3案に対し、抽選で選ばれた一般国民、各3人、計9人が意見を述べるというもの。
 ところが、仙台(15日)、名古屋(16日)の2カ所で行われた「聴取会」では、それぞれ東北電力、中部電力の幹部社員が参加し、「原発推進」の20~25%案に賛成を表明。中部電力の幹部社員(46)は、「放射能の直接的な影響で亡くなった人はひとりもいない」「5年、10年たっても状況は変わらない」と言い放った。
 恐らく「原子力ムラ」の連中は、「聴取会」に参加して、「原発も必要か」と国民を洗脳するつもりだったのだろうが、逆効果もいいところだ。「ヤラセ」まがいのことをしたことで、国民の怒りに完全に火を付けた。もはや「20~25%」案はあり得ない。

   「聴取会で分かったことは、原発依存度0%を求める国民が圧倒的、
    という事実です。たとえば仙台会場では、意見表明を希望した
    93人のうち、(1)0%が66人、(2)15%が14人、(3)20~25%は
    13人でした。名古屋もほぼ同様です。これほど差があるのに、
    20~25%案に賛成する人を3人用意するために、東北電力の社員や
    首都圏在住者を参加させる結果になっています。それよりなにより、
    中部電力社員の『ひとりも死んでいない』という発言を聞いて、
    多くの国民は、原子力ムラの人間がまったく反省していないこと、
    とことん非常識だということを再認識したはず。国民は20~25%案は、
    絶対に許さないでしょう」(原発問題に詳しいジャーナリスト・横田一氏)

 国民の批判をかわしたい野田内閣は、22日に札幌と大阪で開く「聴取会」からは、9人だった発言者を12人に増やし、増やす3人は申請者が多い「0%」の意見を持つ参加者に割り振るという。
 しかし、原発推進の「原子力ムラ」と野田内閣は、裏でなにをするか分からない。徹底的にやっつけないとダメだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072090070537.html

原発聴取会 業者任せ 開催回数や定員縮小 運営、分析も外注
2012年7月20日 07時05分

 政府のエネルギー・環境会議が将来の原発比率はどれくらいがいいか国民の意見を聴く会をめぐる問題で、当初の予定より開催回数が半分になったり、定員が百人以上減ったりしていたことが分かった。よく検討しないまま、運営を業者に外注した政府の実情が浮かんだ。 (小野沢健太)

 発注者は経済産業省資源エネルギー庁で、広告代理店の博報堂電通が入札に参加し、博報堂が七千八百五十四万円で落札した
 エネ庁は、入札の仕様書で、聴取会の開催場所は全国二十カ所程度とし、定員は各会場とも三百人程度としていた。
 しかし、実際の開催場所は十一カ所に半減し、中に入れる人も百~二百人に。合計すると、計六千人の国民が参加できるはずが、千百人~二千二百人にまで減った。予算が余った場合は博報堂が返還する契約という。
 「発注時はどのくらいの規模にするのかきちんと決まっていなかった。二十カ所なら予算が足りなくなることはないだろうと判断した」。エネ庁の担当者は、見切り発車的に発注したことを認めた。
 定員がぐんと減ったことについても、「契約後に会場の確保のしやすさなどを考慮し減らした」と説明する。
 聴取会を運営する博報堂と契約したのは今月二日で、初回のさいたま市での開催まで二週間もなかった
 会場での金属探知機による入場者チェックは仕様書通りだったものの、手話通訳を置くことが明記されているが、これまでの三会場にはいなかった。
 十五日の仙台市会場で、細野豪志原発事故担当相は「(参加者が書く)アンケートをすべて読み、思いを受け止める」と話していたが、アンケートの集計や分析は博報堂任せ本当に生の国民の言葉を読む気があるのか疑問が残る。

(東京新聞)
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