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●大飯原発再稼働についての首相の酷い会見

2012年06月15日 00時12分40秒 | Weblog


まず、昨日に続いて、日隅さんについての東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012061402000115.html)から。

    『●NPJ編集長・日隈一雄さん亡くなる

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012061402000115.html

【コラム】
筆洗
2012年6月14日

 握手を求めると、柔らかい手で強く握り返してくれた。今年二月の出版記念パーティーで会ったのが最後になってしまった。弁護士の日隅一雄さんが亡くなった。四十九歳。末期がんと闘いながら、記者会見場に足を運び、政府や東京電力の責任を鋭く追及した▼新聞記者から転身した日隅さんと初めて会ったのは、十年ほど前の犯罪被害者の話を聴く勉強会だ。被害者の人権を侵害する事件報道を厳しく批判していた▼裁判員制度が始まる前に出版された『裁判員制度と知る権利』(梓沢和幸・田島泰彦編著)の執筆者仲間として議論を重ねた。「残念ながら、日常の取材では、報道機関にとって、警察は監視する対象ではなく、情報をもらう対象となっているのが現状であり、報道機関は、警察が発表したりリークした情報を、疑うことなく報道している」。本の中でもマスメディアに厳しかった▼先月、菅直人前首相を参考人聴取した国会事故調査委員会のインターネットの中継に、日隅さんの顔がちらっと映っていた。元気にされているんだと安心したばかりだった▼最後まで命の炎を燃やし、主権者は誰かを問い続けた。「今の記者はおとなしすぎる」「官僚は常にメディアをコントロールしようとする。勝たなきゃだめだ」と本紙の取材に語っていた。現役の記者よりも、記者魂があふれる言葉をかみしめている。
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 さて、本日の本題。ビデオニュース・ドットコムの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002437.php)と日刊ゲンダイの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/137009)。

 首相会見の後の質疑もひどかったらしい。日テレ読売、ロイター(経済通信社)、ニコ動(視聴者質問代読?)。大飯原発の再稼働問題についての会見で、(大事です、でも)消費税増税の質問をしている場合なのか。別の場ですべきです。マスコミがこれでは・・・・・・。一方、別の記者会見(組閣絡み)で、神保さんはゲリラ的に大飯原発再稼働の(とりようもなく、とるつもりもない)責任について質問している。首相の答えは・・・・・・(1)事故から多くの教訓を得て、二度と起こさないようにした、(2)IAEAを含めてオープンな場で安全基準などを作った、そして、メルトダウンは二度と起きない、(3)夏場の電気確保だけでなく、エネルギー安全保障や値上げ阻止のため、原発再稼働が必要、だそうです。お笑いだ! (1)について、動かさないことが最もリスクを下げるし、(2)について、動かさなければメルトダウンのリスクは下がるし、(3)についても、動かさないことがエネルギー安全保障であり、原発を利用すれば、廃炉のコストなどを考慮すればコストはかさむ。責任という問いに、「絶対安全」神話で答えて、どうするのだろう?
 組織デモじゃなく、組合組織的なものでもない女性や老人など、公安警察の理解を超えたデモが首相官邸周辺で起こっている。もっとマスコミはそれを報道すべきであり、首相やその取り巻きにその事実を突き付けてはどうか? 電気利用者が要らないといっている。特に原発で作ったエネルギー入らない、と言っているわけ。
 民主党内部からも、大変に遅ればせながら、大飯原発再稼働に反対の声が上がり始めた。
 ムダ首相のほとんどなかった支持率が、ますます低下したのではないか。とにかく、酷い会見だった。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002437.php

ニュース・コメンタリー (2012年06月09日)
安全神話に依存した原発再稼働の問題点

 野田首相は8日、福井県の関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を認める意向を正式に発表した。各方面から様々な圧力がかかる中での苦渋の決断だったのだろうが、残念ながらその理由は福島第一原発事故の教訓が十分活かされたものとは到底言えない内容だった。
 「大飯原発の再稼働の判断の基軸は、国民生活を守る。これが唯一絶対の基軸である」。首相はこう語り理解を求めた。しかし、4日の会見同様、首相の説明は「事故を起こさないようにすることが、私の責任」「全電源喪失しても炉心の損傷には至らない」など3・11以前の安全神話を繰り返すばかりで、事故が起きた場合の対応についてはまったく言及がなかった
 結局、今週の2回の会見を通じて、総理の口から再稼働の理由として、「電力が足らないから」、「経済的な影響が大きいから」という以上の説明を聞くことはできなかった
 確かに、福島第一原発事故を受け、安全対策などに一定の強化が行わたことは事実かもしれない。しかし、そもそもわれわれは福島第一原発のメルトダウン並びに放射能の外部への漏出の原因が何だったのかについては、確たる情報を得ていない。政府と国会の事故調の調査結果を待っているところだ。原因もわからない中で、「安全対策は万全」、「福島のような炉心損傷には至らない」と何度言われても、どれほどの信用があるだろうか
 また、正当性があろうが無かろうがどうしても大飯だけは再稼働するというのであれば、最低限やっておくべきことがあるはずだ。まずは3・11以前のように炉心溶融は絶対起きないという前提の上に立つのではなく、万が一炉心溶融が起きても放射能が外部に漏れないためのベントフィルターを設置したり、万が一放射能が漏れた時に周辺住民を無事に避難させるための避難訓練や避難ルートの確保、そしてそれでも被害者が出た場合の保険などの賠償措置などを予め万全にしておくことが、福島の教訓なのではないか。
 一貫して「再稼働の是非はともかく、その決め方がより重要」との立場をとってきたジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が、今回の再稼働の正当性とそこから見える問題点を議論した。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/137009

「大飯再稼動待った!」国会議員119人署名に菅直人前首相の名前がない
2012年6月12日 掲載

<しょせん、口先だけがまたも露呈>

 野田首相が民意無視で宣言した関西電力大飯原発再稼働。消費増税と同じく、こちらも民主党内を二分する騒ぎになっている。当たり前の話で、福島原発の事故原因もハッキリしなければ、国会事故調の報告もまとまっていない。原子力規制庁も発足していないのに、安全基準も何もないからだ。そのため、多くの国民が今なお、再稼働に反対し、民主党の国会議員119人(6月11日現在)が「慎重に判断すべし」と申し入れている。ところが、この署名に肝心の名前がなかった。脱原発にあれだけこだわった菅直人前首相だ……。
 この署名は民主党の衆院議員、荒井聰元国家戦略担当相と福島選出の増子輝彦参院議員が中心となって呼びかけたもの。羽田孜元首相、鳩山由紀夫元首相、小沢一郎元代表、渡部恒三元衆院副議長、江田五月党最高顧問、馬淵澄夫元国交相ら119人が署名している。
 顔ぶれを見て分かるのは、反野田とか、小沢系だとかは関係なく、党内の派閥を超えて、賛同者が集まったということ。首相経験者も入っているし、前首相である菅が現首相の野田に遠慮して、署名を拒否する理由はない。そのうえ、荒井といえば、菅が閣僚に起用した“お気に入り”だ。なぜ、子分の呼びかけに応じないのか。ますます、菅の名前が名簿にないことが不自然に見えてくるのである。

 理由を菅事務所に尋ねたが、締め切りまでに正式な回答はなく、事務所は「本人でないと答えられない」と言うのみ。「結局、あの人は口先だけ……」と改めて、党内の評判を下げている。

   「だって野田首相の原発再稼働記者会見のひどかったこと
    理屈もヘッタクレもないじゃないですか。この夏が厳しいのであれば、
    期間限定で動かし、その後止めて、安全基準をきちんとしたものにしてから、
    再稼働を検討すればいい。再稼働の理由も安全性の確保から
    電力供給不足に変わり、最後は値上げを理由に国民生活に影響が
    出るとドーカツした。電力会社の無駄を放置して、
    『国民生活を守るための再稼働』なんて、よくもまあ、こんな屁理屈
    言えたものです」(ジャーナリスト・横田一氏)

 同じような趣旨のことは大阪市特別顧問の古賀茂明氏も指摘している。菅周辺によると、「菅さんも会見には呆れていた」と言う。一応、自身のブログには脱原発の主張をつづっているのだが「それでも沈黙しているのは、小沢グループと連動していると思われたくないんだろう」(菅周辺)なんて、言われている。

   「しょせん、菅さんの脱原発もその程度なのでしょうか。
    本気で脱原発を目指すのであれば、野田首相を引きずり
    降ろさなければウソ。鳩山、小沢両氏とトロイカ体制を復活させて、
    民主党の原点に戻るべきですよ」(横田一氏=前出)

 何度、国民を裏切れば気が済むのか……と言いたくなる。
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