新聞一面、唐突でびっくり。asahi.comから。
まずは一歩目として評価。でも、「防潮堤新設」など非現実的であり(砂上の楼閣でシャレにもならない)、「停止」ではなく、「廃止・廃炉」すべきです。あらゆる意味でコスト的にも原発など非現実的であり、即刻すべての原子力関連施設を廃止すべきである。原子力発電すれば必ず出てくる核のゴミという、どうしようもない廃物の管理がそれでも残される訳で(「オンカロ」では10,0000年!! 小出裕章さんによると、日本政府は100,0000年保管する必要があると言ってるそうです!【5月6日 浜岡だけでなく全原発を止めるべき 小出裕章】)、NIPPONの未来の子供達に本当に申し訳ない思いである。日本のどこに地層処分する場所などあるのか・・・。小出さんは、東京に埋めろ、だって政府は日本中どこでも300から1000m掘れば大丈夫と主張している訳だから、と。もともと原子力など技術的に非現実・非合理だった、ということにいい加減に気付くべきだ。付け加えれば、小出さんでさえも「想定外SOUTEIGAI」だった使用済み燃料プールの問題もある。また、ガラス固化という未確立の技術の問題。
一方、伊方や玄海についても菅首相に決断を促したい。川内も、上関(祝島)も廃炉を。全ての原発を直ぐに廃炉してほしい。地元は「原発停止ドミノ」を恐れているという。あきれるばかり。
でも、今回の一面トップニュースに接しても私は悲観的、冷めている。
「2~3年後」に現政権、民主党政権が維持されているかどうかも疑わしいし、政権が変われば、あるいは、自民党が復権すれば、すぐさま浜岡原発再開に舵きりするでしょうからね。投資すれば投資するほど儲かるシステム、利権、裏金、天下りなど、お金儲けしか考えていない政治屋・議員センセや電力会社上層部、それらを下支えする多くの無関心な人々(都知事選など、ほとんど原発が争点にさえならない)ですもの。裁判所も絶望的、下記静岡地裁の判決を参照。
もう一点は、FUKUSIMAの人たち、特に子供たちには、あまりにも遅すぎる決断だったといえます。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0506/TKY201105060230.html】
浜岡原発の全原子炉停止へ 首相の要請受け入れ
2011年5月7日3時10分
菅直人首相は6日、東海地震の想定震源域である静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所について、定期検査中の3号機や稼働中の4、5号機も含めてすべての原子炉を停止するよう中部電に要請した。中部電は受け入れる方向。停止期間は、中部電が2~3年後の完成を目指す防潮堤新設までとなる見通しだ。
中部電は近く役員会を開き、要請に対する対応を決める方針。首相には法律上、原発の運転停止を指示する権限がない。原発を停止すれば、不利益を被ったとして株主から訴えられる可能性もある。ただ、中部電幹部は6日夜、「(政府の)要請とはいえ、命令に近い重みを持っている」と述べ、すべての原子炉を停止させる方向で調整していることを明かした。
首相の政治判断で稼働中の原発が止まれば、初めてのことだ。
要請は海江田万里経済産業相を通じ中部電に伝えた。首相は6日夜、首相官邸での記者会見で停止要請を明らかにし、「国民の安全と安心を考えてのこと。浜岡原発で重大な事故が発生した場合、日本社会全体におよぶ甚大な影響を併せて考慮した」と強調した。
首相は停止要請の理由に東海地震を挙げ、「30年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性が87%という数字も示されている」と説明。特有の事情があるとの認識を示し、浜岡以外の原発への対応には言及しなかった。
停止期間については「防潮堤の設置など中長期の対策が完成するまでの間」とした。中部電は海岸沿いの高さ10メートル以上の砂丘と原発の間に、津波対策として高さ15メートル以上の防潮堤を新設する予定だ。
首相は、停止要請までの経緯について「先の震災とそれに伴う原子力事故に直面し、私自身、浜岡原発の安全性について様々な意見を聞いてきた」と説明。今後の中部電管内の電力不足対策について「需給バランスに大きな支障が生じないよう政府として最大限の対策を講じていく」と語った。
中部電は、すべての原子炉を停止させた場合、電力不足に陥る可能性があるため、東京電力への電力融通は「やめることになる」(中部電幹部)という。
政権が原発停止要請に踏み切った背景には、東京電力福島第一原発の事故を契機に国民世論に浜岡原発への危惧が高まっていることなどがある。川勝平太静岡県知事ら地元自治体の首長も、新たな安全基準を満たさない段階での浜岡原発の稼働に難色を示している。
◇
〈浜岡原発〉 中部電力では唯一の原発で、静岡県御前崎市にある。1~4号機は福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)、5号機は改良型沸騰水型炉(ABWR)。1号機(1976年運転開始)と2号機(78年開始)は2009年1月から廃炉の手続き中。現在、代替として6号機の新規建設の計画がある。中電が発電したり他社から受けたりした電力量実績は、10年度速報値で1423億キロワット時、そのうち浜岡原発の発電電力量は153億キロワット時と、1割強だった。
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【http://www.asahi.com/national/update/0506/TKY201105060333.html】
【http://www.asahi.com/national/update/0506/TKY201105060333_01.html】
静岡知事「英断に敬意」 浜岡原発への全炉停止要請
2011年5月6日22時1分
菅首相の突然の記者会見を受けて、浜岡原発の地元自治体は対応に追われた。
中部電力の安全対策を疑問視する発言をしてきた静岡県の川勝平太知事は午後8時すぎになって「英断に敬意を表します」とコメントを発表。「県としては、省電力、省エネルギー対策にこれまで以上に取り組む」とした。
原発が立地する静岡県御前崎市の市役所では、会見を受けて職員らが慌てて登庁。だが、石原茂雄市長は外出しており、職員たちは相次ぐ問い合わせに対して「現在、情報確認中です。もうしばらくお待ち下さい」と繰り返した。
浜岡原発の1~4号機をめぐっては、周辺住民らが運転の差し止めを求める訴訟を起こしている。一審・静岡地裁では原告側が全面敗訴したが、訴訟は現在も東京高裁で続いている。菅首相が全炉の停止を要請したと聞き、原告団長の白鳥良香さん(78)は「本当ですか? この上ない朗報だ。信じられない」と声をうわずらせた。
訴訟の大きな争点は「想定を超す地震が起きるかどうか」。だがこれに対し、07年10月の一審判決は「耐震安全性は確保されており、原告らの生命、身体が侵害される具体的危険は認められない」と判断した。
白鳥さんは、首相の要請について「福島の事故を受け、考えが改められなければ、この国も終わりだと思っていた。この英断を貫いてほしい」と期待を込めた。
◇
一方、その他の原発を抱える自治体や、電力会社の関係者は、突然の発表に驚きを隠せない。
2007年の新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発(全7基)が立地する同県柏崎市の会田洋市長は「相当思い切った決断だ」と戸惑い気味に話した。
「柏崎刈羽原発について国がどう考えるのか。浜岡原発だけの話なのか、説明を受けたい」
同原発は中越沖地震で設計値を大幅に上回る揺れに見舞われた。耐震強化の工事をし、全7基のうち4基が運転を再開している。会田市長は「必要な耐震補強はなされており、ただちに止める必要があるとは考えていない」とする一方、東電側の進める津波対策については「十分かどうかは別。福島第一原発の事故の検証結果も合わせて考える必要がある」と話した。
日本海側の北海道泊村に泊原発を持つ北海道電力の関係者は「情報は、ニュースの内容だけしかない。なぜ今なのか」と驚いた。
「まさか泊原発まで止めろ、とは言わないだろうが……」
北海道庁の危機対策局幹部も「じゃあ他の原発はどうなのか、というところが示されていない」という。
九州電力の玄海原子力発電所のある佐賀県玄海町の岸本英雄町長は「唐突な発言だ。玄海原発2、3号機の運転再開問題は、国による安全が確認されたうえで、町議会で議論すべきだと思っている」と話した。
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