あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

市民・教育常任委員会の県外視察2日目 福井県

2012-11-14 | 国際・政治

1211141委員会視察 福井県庁にて、教育立県の学力育成の取り組みについて
県議会議会事務局三津谷課長から挨拶
議員定数37名(県民人口80万人)昨年春より初めて女性議員2名誕生

世帯収入全国2位、女性の就業率全国2位、ハローワークの求人倍率は常に1倍以上をキープ
幸福度調査(法政大の調査)全国第一位
の評価を得る
紹介DVDを視聴(家庭と地域の支え、通学路見守り隊、5年生以上は36人、中学生30人学級、小中学校夢カルテ、国語学者の白川静香博士の文字学、南部陽一郎記念賞、ALT授業配置立は全国1位、学校の無言清掃活動、中高教員交流研修)
日本の宝である子供達を育むと結んでいる。

「福井県教育振興基本計画」23~27年の期間5ヵ年
【福井型18年教育】
子どもが生まれてから高校卒業まで一貫性ある18年の教育を進める。

5月1日より「福井県学力向上センター」を開設
小中、高校、学力向上委員会、教育力向上委員会を設置
各学校で学力向上プランを策定する。

教員の授業力の向上「コアティーチャー養成事業、授業名人を任命しその技を継承する事業、県下274校の小中学校に教育指導主事が訪問指導、福井大学教職大学院と連携した現場教員の研究・研修。

白川文字学(県出身の漢字学者白川静博士)による古代文字から楽しく学ぶ漢字教育(小1から小6までの副読本は平凡社から全国販売)

戦後(昭和26年度から)60年継続の福井県独自の学力検査を実施中。

理数教育の充実では「ふくい理数グランプリ」を設け、また
算数WEBシステム事業、授業改善のための教材研究支援システムあり。

12111420歳時から就学前までの幼児教育について
県として幼児教育に取り組む事例は秋田、高知に続くもの。
「福井県幼児教育支援センター」の開館を準備中。センターでは地域の幼児教育支援を支えるため県が先頭に立って市町・関係団体や保育所・幼稚園等施設関係者との一体感を醸成していく。
県下で保育所待機児童はゼロ。保育所就園率全国1位、
幼児の74%は保育所利用、家庭の教育力の向上のための親力の向上の支援プロジェクトあり

福井県で生まれた子ども達が18歳までの教育を、県が取り組んでいく福井県の子ども達は率直に羨ましいと思いました。我が母校法政大の調査により幸福度全国一となった福井県人の人生観や労働観を聴く機会を得たいものです。
県の規模は小さいけれど県民は
光り輝く心豊かな福井県は、今後これからの全国的な人口減少時代に地方自治体の優等生として、故郷に誇りを持ち施策を進める福井県に東北からエールを送ります


市民・教育常任委員会の県外視察1日目 北九州市

2012-11-13 | 国際・政治

12111331.北九州市の文化芸術への取り組みについて
文化振興計画の策定とこれまでの経緯。2010年12月に北九州市は策定した。仙台市では2007年に芸術文化振興の指針を策定している。
芥川賞、直木賞の受賞者が最も多い北九州市。芸術文化によるまちづくりを振興計画で確認。
文化芸術施設を市長部局に教育委員会から移管して、全庁的に施設活用による文化芸術の振興を図ることとした。漫画ミュージアムも開館したばかり。
小倉城内に市役所があり芸術劇場があります。劇場の窓から撮影
福岡市は博多座などでロングラン公演など商業的興行をうっているのに対して、北九州では、来場者の統計では、市外から50%、福岡市から14%となっている。また福岡市には県の施設がありその利用がある。
ネーミングライツには、門司港のトロッコ列車があり、本ホールが2例目である。年750万円也。

2.北九州市漫画ミュージアムについて、今年8月3日に開館。市に所縁ある著名漫画家は50人以上いて、現在34名の所縁漫画家について協力を得ている。漫画アニメを通じた地域振興、文化施設としてミュージアムを整備した。基本コンセプト策定委員会の委員長は松本零士氏 。現在、年末までルパン三世展開催中。施設整備場所に苦労あり、小倉駅前の空いた商業ビルあり、漫画アニメをコンセプトにしたビルにとビルオーナーと合意。「あるあるcityビル」として通産省の整備事業予算も活用して6億円かけて整備。市の直接運営、学芸員は市の嘱託職員として開館と並行してトレーニング中。年間10万人来館を目標、あるあるビル自体も年間100万人来場目標を達成方向にある。
公のお金で漫画家を稼がせるような誤解が生まれない為にも、今後は運営形態のあり方を内部要検討である。他の類似施設、川崎市のドラえもん館、石ノ森漫画ッタンとの展示交流も行っていく。
駅前の中心市街地活性化事業として市民の認知あり。
肖像権、著作権は一時貸与されている関係にある。

12111343.北九州芸術劇場と運営団体の市芸術文化振興財団からのヒアリング調査と場内視察
リバーウオーク北九州の施設外装コンセプトは奇抜な形と色の造形のようだが、日本文化.伝統から着想。(漆、稲穂、瓦、漆喰)
大1269席、中700席、小216席の各ホールいずれもの稼働率は75%以上。昨年度の利用者数は29万人。使用料収入は4000万円、年間経費は11億3000万円。経済波及効果試算は20億円。
【創る観る育つ】運営の3コンセプト。
リバーウオークの一角として、中心市街地の賑わいづくりに寄与している施設。
高齢化進む北九州市にあって若者が集う場所づくり(福岡の天神地区のような?)への投資という市の考え方あり。
来年が指定管理者の契約再公募あり準備中。

1211131_21211132劇場内の大ホールを視察。奥行が深い舞台と重厚感ある観客席が広がる内部、舞台の裏はシャワー付き控え室が並んでいました。
劇場の外観は幹線道路に面した黄色の壁のようですが、ホール内部の造りと意外感がありました。

新幹線で15分の距離にある北九州市と福岡市。お互い都市の活力づくりに文化芸術の振興を図っているが、北九州市では興行性は抑えて、現役世代や若者が集う拠点としてリバーウオークに芸術劇場を整備し今日に続いていることを知りました。仙台市では、市民会館と県民会館の改装が求められて久しいが、震災を経て復興の先に、これら施設の一体共同整備が進むよう準備していきたい。復興と再生、再興に文化芸術の拠点整備は被災地の仙台・宮城であればこそ必要であると考えます。

夏にメディアテークで開催し全国からファンを集めた[ジョジョ展]の成功から今回の北九州市の漫画ミュージアム視察となったが、漫画とアニメは今、地域振興の新たな媒体装置であり、所縁の作家を取り込んで中心街の空洞化対策とした事例に学びました。


造園業協会の勉強会に参加しました。

2012-11-09 | 国際・政治

1211081_2日本造園建設業協会・東北総支部の主催
震災復興祈念シンボジウム

於:勝山館 300名満席

基調講演は東京都市大学 環境情報学部 涌井雅之教授
テーマ
「いのちを守り育む緑」
日本の都市形成の過程と緑地形成について
NHK番組「ぶらタモリ」を監修
欧米の都市づくりから戦後の我が国は何を学んで来たか。
韓国ソウル市の緑地形成、富山市のコンパクトな中心街区。大阪市の難波パークスの事例、自然資本という発想 ヒューマンスケールのまちづくりという考え方と自然界の許容力の限界
自然を守れば自然が守ってくれる」CPO21会議より
資本の力を借りて被災地を回復して行く考え方、自然の力に任せる視点。
これからは一極集中化から環境容量を意識したネットワーク的な社会づくりへ
エコロジカルネットワークの形成」在所一番の着想
社会生産的生態ランドスケープに基づいた、震災からの被災地の再生。
コミュニティが緑とともにどう再生していけるかは復興の鍵となる。

涌井教授の講演は学識的であるのは当然ながら実務的で含蓄多い内容でした。
自然界の力の大きさを千年を経て経験したのだから
ランドスケープデザインを意識して我々は、沿岸部の再生と復興を進めていくべきと思う。勉強熱心な造園業の皆さんに敬意を申し上げます。

少子化なのに全国に大学は増え続けているが、同氏のような教授陣で構成される大学に絞られるならば揉めることもないのだろう(蛇足)


宮城県議会・市町村議会議員合同セミナーに出席

2012-11-08 | 国際・政治

1211083_2主催は宮城県議会 県庁2階講堂に県下自治体議員約300人余が参加
仙台市議会からは佐藤議長以下、約20名が出席

1211081_3講演第1部「地方分権改革の動向と地方議会の役割」
  講師 総務省自治行政局地方議会企画官 寺田雅一氏

第30次地方制度調査会の諮問事項3点があり、毎月2回ペースで開催し、大都市制度のあり方や大震災と行政体制のあり方を協議検討している。

地方議会の会期は、通年議会にできることに。定例日と議案の審査日の設定を分ける。議場に首長等が出席する法的義務は解除した。また出席要求は執行機関側の事務に支障がないように配慮すること。
招集権は首長のみとならず、議会が臨時会を招集できる。
参考人の招致は本会議にもできるようになった。
百条委員会の濫用を抑止する意識として議会の調査権は特に必要あると認めた場合とする。

議員調査費[政務活動費]の対象経費(可能経費の範囲)はすべて条例で定めること
条例の対象にできない項目規定がある。
不適正な支出の防止と是正が目的であり、透明性の担保が条例規定の主旨である。
飲食代の扱いは断定できない部分があるが、社会通念上の常識の中に答えがあるとする。法案成立時の国会での議論はひとつの参考であり具体には各地方議会で定めていくもの。

専決処分事項については議会の立場から法的効果を検討中
議会の解散権は、都市の大きさに応じて三段階の必要署名数を検討している。
協議会等からの脱退手続きの簡素化。広域連合における理事会制と決定機関のシステム化。

住民投票制度の導入と、その結果への法的拘束力の有無(例:公共施設整備や税水準など)

都の設置と特別区の財政調整交付金の仕組みを解説、大阪市との比較。不交付自治体と交付自治体との違いが基本的にあるもの。
特別区の設置に関する法律は成立はしたが、、具体の適用には調整事務多難の相。
中核市と特例市の位置づけ、機能の確認の上で特別自治市を検討。
議案の99%は執行部の提案を原案のまま可決している現状。
公聴会制度の活用と参考人制度の活用はどうだろうか。
国からの通知を議会側にも発出するようにする。

議会基本条例の制定へ全国的な動きあり。議員相互間の討議を高める。
議会側からの条例制定の促進。規定条件の緩和化。
遅々として進む進める議会改革”

総務省の中に地方議会の担当者【企画官】を設置して半年経過したが、国の機関において初めての役割りであり、今日その担当に地方議会からの期待は大きい。

1211082_2講演第2部「震災からの復興に資する産業施策について」
  講師 経済産業省製造産業局 局長 菅原郁朗氏

大震災発生後の裏話を披露。隠れ各省庁事務次官会議を開き、麻痺した物流システムの回復作業を必死に行った。原発事故後も保安院の溢れる業務量の分担を事務官間で行った。未曾有の事態への対処がいかに困難であったか。また事故後半年の中で対応しなかった事毎が現在、困難事項に凍結してしまっている。
政治主導なるものが事故対応を誤らせてしまった!のか。

東北経済の復興状況を解説  特需の一時的発生はある、しかし業種による格差は大きい。鉱工業の生産は、震災直後の水準に低下している。その要因は世界経済の陰りによるもの。年末年始の景気予想はこの3ヵ月で大きく後退した。要因は政治の不安定と尖閣問題。経済対策の補正予算が打てない問題が一層の国内経済の翳りを増幅している。

日本の経常収支は赤字に転落する可能性あり(原発再稼働なく製造業の空洞化が阻止できなければ)自動車、機械、電気製品の3部門が稼げなくなれば貿易大国の位置から堕ちることに。これまで自動車産業が国のGDPに大きく貢献してきた。現在、国内大赤字の自動車産業3社。海外生産のみにシフトすれば企業は蘇る一方で国は貧していく。

いかに国内経済に貢献している企業業種が国内に留まって貰えるための政策が政治の急務。外貨を稼げる日本の物づくりをどう維持させられるか。
雇用はこの10年で製造業から217万人、建設業から131万人が去り、サービス業に移動している、が賃金額は3分の1減り、被雇用者の生活水準を落としている。

現在、東北にだけ製造業が膨らもうとしている(震災後の特殊環境)国内で最大の潜在力を有する震災後の東北地方。

大国中国の今後の大問題は、人口年齢の高齢化問題。生産年齢の人口増なく経済成長は大ブレーキがかかる。日本の70年代オイルショック後と同じ状況に中国が直面する。
しかし、当面は中国市場が世界経済にインパクトを持つ市場であり続けるだろう。

東北地方経済の発展の方向性はものづくり! 地域資源! 低炭素!
また、やっぱり自動車産業に稼いでもらう為の集積の拡大。部品供給環境の整備が必要。
どれほど製造拠点と研究拠点が東北地方にあるかを再認識すること。
企業立地補助金17兆円の活用を考える。将来の種蒔きを考えて活用すること。

講演の閉めは「日本を支える東北の再生」と局長のメッセージであった。東北の持つ本物の潜在力が活きてくるこれからであるとする、菅原局長の講演でした。地方議員の皆さんお疲れ様でした


地方議員研究会セミナー2日目

2012-11-01 | 国際・政治

1211011「議会基本条例の意義と役割りについて」
講師は昨日に続いて 全国市議会議長会の廣瀬和彦

60年以上を経過した二元代表制の現状と課題
代表の一方である議会が完全に機能していないことの現状認識
首長(執行部)への監視機能が議会として果たされているか。
議決機関としての機能が弱く、執行当局の追認機関ではないかとの有権者からの批判あり。
議会側からの条例提案数が少ない一方で、首長提出議案の原案可決率は99%の現状。

議会と議員への有権者からの批判的な声は〔定数が多すぎる、質疑に緊張感がない、政策論争が少ない、議場で寝ている、報酬が高い〕
三ない議会[議会の政策立案機能なし、原案可決ばかり、議案に対する議員個々の賛否が非公表]の指摘
議会改革に積極的な高い評価を得ている議会は、三重県議会、京丹後市議会、豊田市議会などがある。

議会基本条例の制定とは、今日の議会の現況にあっては、議会の活性化と充実を図るためのルールづくりである。
その制定状況は、23年までに全国で158市(約2割)で制定されていて毎年倍増中。

基本条例の3必須要件は【議会報告会の開催、請願・陳情者の意見陳述機会、議員同士の自由討議】とした東京財団
基本条例は制定そのものが目的ではなく議会活性化への手段であり、制定後からが議会活性化のスタートであること。

条例策定の組織の設置は、一般市民の声を受ける第三者機関をどう設置するか(パブリックコメントの取り方を検討すること)
制定にあたっての留意点として、重要なことは議員間で自由討議を行ない議員同士が合意形成を図る過程にある!(国会では昭和30年に法が削除)議員間の議論の必要性あり。議員の資質を選挙人に周知させる機会となる意義もある。

地方議会は国会と異なり、執行機関に対して資料提出を要求する権限が実は無い。
また自由討議の問題点としては、会派制と議員個人意見の整合性はどうなるか、議員の演説の場に陥らないか、発言時間をどう決めるか、同じ討論の繰り返しをどう抑制するかなどあり。
モデル事例としては会津若松市議会がある。

反問権については、法律上その根拠規定はなく、議会の質問権は執行機関への監視権に因るもの。しかし昨今、議員の無責任な提言や意見表明を抑止する効果や質疑当該内容への議会側の研究,研鑽を促す効果を期待するムードある。

文書質問は、地方自治法上の禁止規定はなく、口頭による質問を補完するものとしての意味がある、しかし回数の制限や、その質問と回答を全議員に配布し会議録に掲載する手続きが必要。
広報広聴活動としての議会報告会と議員報告会は異なるもので、実施する地域と実施回数の妥当性(公平性)の確保が鍵になる。

セミナー2日目は、議会の活性化について、議会の現状の課題、その活性化の手段として議会基本条例の策定に関する内容でした。議会の現状紹介の場面では会場から何度も笑いが漏れたが、セミナー受講議員いずれもが課題と認識している点を廣瀬氏が指摘したものでした。
議会基本条例の制定は全国的に進行中であり、仙台市議会としても震災からの復興を促進するためにも、着実な復興の歩みと並行して議会基本条例策定への取り組みを進めて行きたい。