当局から「地域包括支援センター」の運営状況について説明があり、審査しました。
平成17年から、概ね中学校区毎を担当地域として、市内41ヶ所に開設され、介護保険のみならず、高齢者福祉などの地域の総合相談センターとして3年目になりました。介護予防への取り組みも主要な事業になっていますが、センターの周知が進み、目的とする事業が着実に行われているかどうかは、市内41ヶ所に温度差があるようです。
先日訪問した太白区の東中田センターなどは、モデルと言えるほど頑張っていますが、同センターは、白東苑はじめ法人ビーナス会全体の良い運営姿勢が反映されているのです。地域包括支援センターは、大半が特養ホームの法人施設に併設して運営していて、担当地域の環境(高齢化率、生保世帯、団地)の状況によって、様々な課題が日々あるようです。
私からは、今後要支援になる可能性がある、特定高齢者の把握と予防プランの作成状況について、地域包括ケア体制の構築という、センター目的の実践がなかなか見えてこないが、市は保険者として、その誘導策やセンター支援策が必要ではないかなど質疑しました。
さらに、各区保健福祉センターでは、市民からの相談に対して、そのまま包括センターに丸投げするような対応ではなく、セーフティネットを預かる行政責任において、しっかり連携を図るべきである。また介護保険が始まり9年目、市内各地域の高齢化の進み具合に格差が出ているので、担当地域の見直しやセンター数を増やすことが必要でないかなども質疑しました。
いずれにしても、来年度の介護保険制度改正にむけて不安もある中、介護保険運営の要の役である、地域包括支援センターがより円滑にその設置目的を達成していけるよう、私も議会の立場から最大限に応援していきます。
また、政令指定都市17市が連帯して国に出す「国の施策及び予算に関する提案」について報告がありました。
これは、毎年国の次年度予算に向けて、大都市ならではの特別な行政需要に対して、一般市とは異なる地方交付税等の予算措置を国に求めるものです。かつては「要望」という表現でしたが、最近は「提案」と変えています。
内容は、保健福祉、教育、環境、災害、都市基盤など全般にわたっていて、本委員会では、生活保護/待機児童ゼロ/障害者自立支援/介護保険/市立病院への財政支援などが説明されました。
これに対して私からは、生活保護制度の抜本改革提案について質疑しました。
仙台市の生活保護者1万1千人、生活保護費は約180億円になっています。格差社会が進んでいることなどにより、年々増えていて私が議員になった9年前は6千人、約100億円であったと記憶しています。政令市の福祉関係予算を比較すると、生活保護費の多少が影響していることが分かります。
西日本では、人口に対する保護率が高く、仙台の約1%を越えて4%となっている政令市もあります。
生活保護費の4分の3は国からの措置になっていますが、かつて小泉改革の折、3分の2に国の負担を引き下げる議論もありました。
いずれにしても、現状の生活保護制度では、今後高齢化が進み、経済困難者が増えていくことに加えて、30代の非正規社員やフリーター、引きこもりの人たちなど将来被保護化想定者の拡大は、自治体行政に大きな課題を与えることになります。なので高齢者を別立てにして、また、自立可能者の自立支援環境の充実を図る政令市の「提案」を、国は真摯に受止めるべきなのです。