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電気メスの原理、能書き

2018年06月23日 | eつれづれ
手術の時の最大のリスクである出血。
電気メスは、手術時の切開や処置の際の出血を止める凝固のために使用する医療機器です。

電気メスのしくみ
電気メスは、300~400kHzという高周波電流を細い金属製のメス先からヒトに流入(アーク放電)させることにより組織などを切開・凝固する医療機器です。
つまり、メス先から雷をヒトに向けて連続して落としている、というイメージです。
アクティブ電極(メスの役割をする部分/プローブ)の種類には1本の細いメス先電極を有したモノポーラ電極と2つの電極を有したピンセット形状のバイポーラ電極があります。
処置の内容に合わせて切り替えて使用する
電気メス本体で発生させた数A(アンペア)という大きな高周波電流はモノポーラ電極ではその先から人体へ流入し、切開・凝固作用をおこし人体を介して対極板(拡散電極)から本体へ回収されます。
一方、バイポーラ電極は、ピンセット形状の一方の電極からバイポーラ電極で挟んだ微小な人体部分だけに高周波電流を流し、その部分のみで凝固作用をおこし、他方の電極から本体へ回収されます。
電気メスは電流を流すので、豆電球を乾電池につないだ理科の実験のように閉じたループを作る必要があります。
つまり電気メス回路は、人体を介した閉ループ回路を形成していることになります。

高周波電流を用いて、組織に圧力を加えずにこれを鋭利に切離(切開)するとともに、細小血管や毛細管を閉鎖(凝固)することによって出血させない(少ない出血)で手術ができる機器をいい、電気手術器ともよばれる。
高周波電流発生装置と、これを導出して生体に通電する金属部、および生体から電流を回収する対極板からなる。
切開は高周波電流によって組織中の水分が爆発的に水蒸気化することを利用して行い、凝固は組織内に発生するジュール熱により組織成分のタンパク質を凝固させるわけで、これにより止血作用が生ずる。
実際には両作用が混合し、止血しながら切開することができる。
なお、凝固には放電現象(火花凝固)も加わっていることがわかってきた。
電気メスによる手術は、頭皮の切開や小出血点の凝固止血など脳神経外科領域、肺切除など胸部外科領域、消化管の切開や切断など消化器外科領域などでしばしば行われ、電気メスが広く使われている。
電気メスによる障害としては、熱傷をはじめ、電撃、誘導障害、電波障害、爆発などがあげられる。
高周波電流は正常の経路以外を流れやすい性質があり思わぬ部位(頭部、肩甲部、腰部など身体の凸部で手術台と密着する部位)に熱傷を生ずることがある。
対極板を正しく使用するとともに、高周波分流がおこりにくい絶縁型出力回路をもった電気メスを使って防止することが望まれる。
電撃に対しては電気メスのアースを確実にとること、また全般の障害防止に対して保安管理(チェックリストによる始業点検や3か月ごとの定期点検など)を厳重に行うことが望まれる。
なお、電気メスは通常の機械刃メスの欠点を補うために登場してきたわけであるが、同様に切開と止血を同時に行う目的をもったメスとしては、最近、レーザーメス、超音波メス、冷凍メスなどが登場してきた。


手術台は絶縁されていて電流はアースには流れない、ベットの上の人間さまは電線の鳥と同じ事か??。
それとも周波数えらく高いので数Aでも感電しない??。



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