BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

寄って 拠って

2018年12月01日 | 古本
なにが面白いといっても米原さんの東京外語大の卒論が、誤字も含めて一挙に掲載されていることだろうか。
(誤字は〔 〕で訂正されているが)果たしてもし米原さんが生きていたら、この文庫への掲載が可能だった
ろうか。佐藤 優さんの編纂で情け容赦ない。テーマは「ニコライ・アレクセーヴィッチ・ネクラ―ソフの生涯ー
作品とその時代背景」というものだ。<「ネクラーソフ評伝」の最初のエチュードとしては上出来です。>との
担当教官の評価を得ている。文庫において100ページだから原稿としては250枚くらいだろうか。
ほかに面白いエピソードも載っている。大学の講義において「米原さんは単位はあげるから、頼むからロシア語
の授業には出ないでほしい」と。なにしろ教授より米原さんのロシア語は完璧だったのだろう。
ただ米原さんの本がもうこういう形でしか出ない事が悲しい。もう米原 万里さんは故人だ。
『偉くない「私」が一番自由』 著者 米原 万里 編纂 佐藤 優 文春文庫 定価720円+税
  ( 2016年4月10日 第1刷 )

沢木さんの短編小説集。特段にいいと思うのはない。特段に悪いというのもない。
やはり沢木さんはノンフィクションの人だと分かる。
 「あなあたがいる場所」 著者 沢木耕太郎  新潮社 定価1300円
  ( 2011年3月30日 発行 )

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