BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

追 走

2018年11月27日 | 古本
沢木さんの〔キャパ〕シリーズを見つけた.月刊誌「文藝春秋」に長い間連載されたものを文庫化。
キャパの撮った戦争のあるいは銃後の世界をそれこそ世界中に訪ねた。そしてキャパが撮った写真と
できるだけ同じアングルを探し、沢木さんも捕えた。もちろんほぼ50年ほどの隔たりを経て、大き
く変わった現場もあり、ほぼ同じもありだ。しかしそこには確実な年月を隔てていることが分かる。
僅かな背景を手掛かりに、偶然も必然もすべて沢木さんに味方した。もちろん文章が違和感を消し去
ったのもあるが、感服せざるを得ない。
あの一番有名な「崩れ落ちる兵士」はアメリカ「マグナム」社において、キャパが撮ったものである
ことを付記させられていることが面白い。沢木さんの中ではもうそれは明らかであるとして、敢えて
反論を封印した。その詳しい経緯はアタシが読んだキャパに詳しいのでここでは省略する。

 「キャパへの追走」 著者 沢木 耕太郎  文春文庫 定価800円+税
  ( 2017年10月10日 第1刷 )

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