BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

無理無理スジ

2019年04月06日 | 新 刊
BOOK OFFでの収穫が無さすぎで、とうとう新刊書店へ。
しかしこの本には見事に騙された。〔三億円事件〕とタイトルに付けば何にでも飛びついてしまうクセがでた。
計画・実行したのは私です、にそそられた。頭の数ページの書きようが、いかにも素人ぽくて、それが逆に本当
らしく見えてしまった。筆名も「白田」だけで、それも売らんがための作戦だと、途中で分かる。特段の真犯人
だという秘密の暴露も無く、今まで世に出た公の情報を繋げばそれらしくなるだけだった。そして相当に疑われ
た警察官の息子も仲間間として登場するのだが、死人に口なし、どうにでも書ける。これはあの事件に名を借り
たアクドイ偽小説で、高笑いしている著者と出版社がみえる。定価で千円の価値も無く、早いとこ均一台の10円
コーナーに行って欲しい。
 「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」 著者 白田  ポプラ社 定価1000円+税
  ( 2018年12月27日 第6刷 )

しかしだ、桜木さんも作家として少々書き杉さんではないか。文章も構成も相変わらず上手いことは旨い。だが
少し空疎なところが出て来やしてないか。なんの余韻も感慨もなく、ただ筆だけが饒舌にすすむ。筋も無理っぽ
いのだが、それももうどうでもいいと読者に見られたら、いつか読み手にも見放される。いつか藤堂 志津子さん
みたくなって、月刊誌のページを埋めるだけの作家になって欲しくない。
 「光まで5分」 著者 桜木 紫乃  光文社 定価1400円+税
  ( 2018年12月20日 初版1刷発行 )

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