BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

覚えてる

2014年07月23日 | 古本
 恐らく高野さんもデビュー当時の「ワセダ三畳青春期」と「アジア新聞屋台村」「異国ト
ーキョ漂流記」あたりが爆笑的に面白い。特に「ワセダー」は「第1回酒飲み書店員大賞」
を受賞しているし。体力、腕力で書いたエンタメノンフが新鮮だったが、最近の辺境探検物
はもう手の内が見えてしまう。紛争国への道行きも、メディアの公式な伝え方とは違うところ
もあって、それはそれで面白いのだが。
 「世にも奇妙なマラソン大会」 著者 高野 秀行  集英社文庫 定価520円+税
  ( 2014年4月25日 第1刷 )

 昔読んだかも知れない名作の内容など、ほぼ忘れている。ましてそれがラストにどう書か
れていたかなんて、とても覚えちゃいない。
 映画ならそれはむしろラストシーンの方を強く記憶していることが多いが、さすがに斎藤
美奈子さんは目の付け所が違って、小説のラストを面白く分析してくれた。とてもありがた
い文芸評論家なのだ。
 「名作うしろ読み」 著者 斎藤 美奈子  中論公論新社 定価1500円+税
  ( 2013年 1月25日 初版発行 )