帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの枕草子〔百九十七〕文は

2011-10-12 00:33:26 | 古典

  

                      帯とけの枕草子〔百九十七〕文は



 言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。



 清少納言枕草子〔百九十七〕文は

 
 文の
清げな姿

 文は、白氏文集。文選の新賦。史記の五帝本紀。願文。表。文章博士の書いた上申書。


 原文

ふみは、文集、文選、新賦、史記、五帝本紀、願文、表、はかせの申文。

 
 心におかしきところ

夫身は、門執。門選。新婦。色、五体本気。願門の表出、端貸せの嘆願門。



 言の戯れと言の心

「ふみ…文…夫身…おとこ」「文…もん…門…女」「集…執…執着」「選…選択…好い方をとる」「史記…前漢の史書…しき…色…いろ…色気…色情…好色」「五帝本紀…史記の第一巻」「ごてい…五体…頭、両手、両脚とすると胴はどうなるの…頭、頚、胸、手、足…全身…頭、胸、手、足、身の端」「表…上に奉る文書…表白…告白」「はかせ…博士…文章博士…端貸せ」「端…身の端…おとこ・おんな」「申文…官位昇進の嘆願書…嘆願書…嘆願する門」。



 うわの空読みしては味気ない文でしょう。近代人の好む、客観的、合理的、論理的、実証的な方法で原文の意味を解明しても無味な文に変わりない。

詩歌と同じ文芸の一つの形。言の戯れを知り言の心を心得て読めば、おとなの女ならば、笑える文となる。読んでくすりと笑う女たちの声が聞こえれば笑い奉仕成功。枕草子はそれ以上のものでも、それ以下のものでもない。


 伝授 清原のおうな

 聞書 かき人知らず (2015・9月、改定しました)


 原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。