不合格者の属性は大きく分けて2つあると思います。第1は,単純に基礎力不足の人。第2は,基礎力はあるけど論文突破力不足の人。
自分がどちらなのかは,「短答基準点」をクリアーしたかどうかが一番分かりやすいのですが,そもそも「短答基準点」なるものの点数が低いので,今年で言えば,240点~250点前後が一つの目安と言えます。250点以上とりながら論文で敗退した人は,純粋に論文突破力が不足しているだけなので,やり方さえ変えれば来季逆転合格の可能性が極めて高い層です。それこそ実践力完成講義(演習編)を是非とも受けていただきたい層です。L2に問題が無さそうなら,「演習編」の受講のみで大きく成績を上げることが可能だと思います(L2にも不安のある方は,実践力完成講義(講義編)を並行受講すれば問題ありません。7科目で66時間なので負担はそう大きくないのです)。
なんで急にこんなことを言い出したかと言うと,今年の結果を色々な視点で眺めていたところ,「短答突破力はあるものの論文突破力がない」,という傾向がかなり顕著に出ているローが目立ったからです。因みに,「対短答通過者最終合確率」は,予備組が71.9%で1位,慶應が68.1%で2位,以下東大67%,一橋62%,京大59.7%,首都大52.7%,愛知大50%,千葉大50%,早大49.6%,中大48%で以上がトップ10になります。40%を越えるロースクールは,全74校中僅かに15校です。つまり,短答は受かったものの論文で多くが撃退されている,という現状が浮かび上がってきます。
因みに「対短答通過者最終合確率」の全体平均は39%で,平均以上は上記15校なのですが,阪大,神戸大,名古屋大,北大が11位から40%台で並びます。「旧帝大組」の不振振りについては,本試験当日にコメントしましたが,主な原因が,「論文突破力不足」にあることが明白でしょう。早大は,受験予定者数が多いので,絶対値こそ184名と躍進しましたが,慶大・東大なみの合格率ならば,本来は280名前後が最終合格しないといけないローです。在校生の方はくれぐれも油断なきよう,です。昨年早大が最後には伸び悩んだ理由が,「論文突破力不足」でした。逆を言えば,方法論次第で更なる大躍進が期待できるローということです。なので是非「演習編」を受講して欲しいな,と思った次第です。
なお,これは別に早大に限った話ではなく,大なり小なり「短答は通ったけれど」,という「頭つっかえとる」状態の人が「不合格者」として大量に滞留しているという現状があります(2000番~3000番の層と言い換えても良いです)。この層は本当に勿体ないです。間違っても基本書読み込むとか闇雲に問題集を解き捲くる,という戦術を採らないで欲しいと思います。本当に勿体無いです。