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Yellow Carcass In The Blue/Kimiko Kasai
(TBM 15PJ-1022 reissue)
90年台初頭だったか、以前にちょっとした日本人女性ボーカルが人気を博した時代がありましたよね。阿川泰子さんをはじめ、か細い声でジャズスタンダードを唄う彼女ら、みんな消えちまいました。ジャズ喫茶がよいを続けていた頃に聞いたスリーブラインドマイス(TBM)から出ていた女性ボーカル盤とは明らかに一線を画したファッショナブルな彼女らのステージ,音源(LP&CD)など、そうも好きになれませんでした。TBMがリリースしていた,中本,笠井,戸谷,後藤などのボーカルアルバムは気骨があってジャジーで賢明にアメリカのシンガーに迫ろうとする迫力がひしひしと伝わって来ます。
中でも笠井紀美子の"Yellow Carcass In The Blue"は峰厚介カルテットのコルトレーンマナーの演奏がブルーな雰囲気を演出してとても好きな一枚でした。久々に聴いてみると,やっぱりいい!冒頭の急速調"Alone Together"が鳴り始めると当時の記憶が甦ります。最早,笠井のライブは聴くこともできないし,彼女でら80年代後半からは時代の流れでファッショナブルに変身したし、峰自身もフュージョン系音楽に行ってしまいましたよね。
自分のはフォノグラムが出した再発盤ですが、このアルバムは初期の笠井の,いや日本のジャズボーカルを代表する名唱盤として恐らく時を越えて伝えられていって良いアルバムだと思います。