Mr. & Mrs. Jazz/Sue & Ralph Sharon
(Bethlehem BCP-13, FSR reissue)
トニー・ベネットというアメリカを代表する大物男性シンガーがいますよね。トニーとの共演ピアニストとなるとインストファンにはビル・エヴァンスとの共演が有名かも知れませんが,トニーそのものが好きな方にはやはりラルフ・シャロンではないでしょうか。多くのコロンビア盤で彼の決して主役を食うことがないピアノは忘れることができませんね。英国人の彼は,Teddy Wilson, Earl Hines, Fats Waller, Art Tatumなどの影響受け、53年に米国にわたったと言います。本日のアップは,彼のワイフ, Sue Sharonのボーカルを含むベツレヘム盤です。
とにかくメンバーのサウンドがドライで,えらく湿度が低い感じを抱くのは自分だけでしょうか?メンバーはRalph Sharon(p), Sue Sharon(vo), J.R.Monterose(ts), Eddie Costa(vib), Joe Puma(g), Milt Hinton(b), Jo Jones(ds)というドライなサウンドを売り物にする輩が大集合です!。ジャズインストファンも放っておけないでしょう!特にJRの「ブッ」と出る音のドライさは彼独特だし,バンドのサウンドカラー全体を支配するかのようです。コスタのメタリックなバイブ,もう人選の勝利としか言いようがありません。この2人を聴くだけでも価値があります。スーのボーカルもエラ,ビリーをアイドルとしただけで艶のあるハスキーな低音から伸びる高音までいい味を出しています。演奏とスーのボーカルが一曲ずつ交互に現れる構成も好ましいですね。A-1の「スイングしなけりゃ意味がない」からバンドの演奏は全開です。「ファインロマンス」、「ノームーンアットオール」、「ジャストユージャストミー」等個人的に大好きなスタンダードがチョイスされているのも2重丸です。
唯一の汚点?は所有盤がFSR再発であることでしょう。カバーの写真が,ボケててねぇ・・・。オリジならもっと鮮明な筈何でしょうが。