67camper's Blog

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パーカーの影,スティットの隠れた名盤

2007-10-10 03:17:09 | jazz & vocal
Sonny Stitt With The New Yorkers/Sonny Stitt
(Roost YW-7806-RO jp.reissue)

 アルトサックスの話になると,いつもチャーリー・パーカーとの関連から話が始まりますが,このバードの追従者は大変多く,パーカーのスタイルがアルトサックス奏法に与えた影響は計り知れないことは皆さんご存知の通りです。白人ではフィル・ウッズ、黒人ではあまりに似すぎていると言うことでテナーを手にすることが多かったと言われるソニー・スティットを忘れることはできません。 本日は,ボストニアンであるスティットがアルトだけでニューヨーカーのリズムセクションとルーストに吹き込んだワンホーンアルバムをアップしますね。

 メンバーはSonny Stitt(as), Hank Jones(p), Wendell Marshall(b), Shadow Wilson(ds)のカルテットです。A-1の"The Best Things In Life Are Free"からパーカーゆずりの”チャラチャラチャラ”フレーズ連発のスティット節が炸裂します。イントロと途中のソロでのハンクのソロは硬質のノンペダル奏法の極みとも言うべき50年台の音で録れていてこれまた素晴らしい出来で,この一曲でグッと惹き込まれます。続くオリジナルブルースも良いですが,その次の"It Might As Well Be Spring"での鳴らしきるバラッドプレイも捨て難いですね。Aラスの”チェロキー”の伸びのあるトーンでのアップテンポも最高です。B面の"I Didn't Know What Time It Was", "Body and Soul"のスタンダード解釈、最後の2曲のブルースもいい出来です。

 ルーストでのスティットはスモーキーなカバーの“Sonny Stitt Plays"や”Pen Of Quincy"ばかりが取り上げられます。しかし若干話題性が低く過小評価されている感は否めないですけど、個人的にはこのアルバムがルースト時代では一番好きですね。所有盤は国内再発廉価盤です。このスティットの表情がまた好きですねぇ!