Illinois Jacquet Flies Again/Illinois Jacquet
(Roulette R52035)
この週末,blog仲間のNOTさんから本邦で特に人気の高いハーレムノクターンを収録したVERVEの
SWING'S THE THING (VERVE MGV-8023)がアップされました。そのログに触発され本日はジャケーについて少し考えてみます。確かにこの曲,最初に聴くとNOTさんの言う”ストリップ小屋”の定番ソングとも思えるクネクネテナーで”ちょっとなあ~!”と言われるジャズファンも多いと思います。同じような定番ソングに"タブー"や”ベサメムーチョ”がありますがピアソンやペッパーにはこんなストリップ小屋の雰囲気はないですよね。ある意味こう言った臭さ、アクの強さはジャケーの本質なのでしょうね。
一方,先日から話題になっているフリップの激しいブローが聴けるのが"PERDIDO"ならば、ジャケーをホンキング,ブローテナーの第一人者にのし上げたのはライオネル・ハンプトン楽団での"Flying Home"だと言われています。この演奏自体は音源を聴いたことがないですが,ジャケーがテキサステナーの草分けであることを証明した演奏らしいですね。当時のジャケーはこのハンプトン楽団,ベイシーバンド,そして自己のオケとビッグバンドでの活躍が目立ちます。本日のアップは、前記の"Flying Home"からかなりたった59年の録音でNOTさんが"SWING’S THE THING"で指摘したミディアムスウィングが聴ける好盤です。タイトルは"Flies Again"ですが以前みられたホンカーぶりはなりをひそめています。
メンバーは詳細不明ですが、Russell Jacquet(tp), Budd Johnson(ts), Jimmy Jones(p), Bary Galbraith(g)等が含まれたビッグコンボないしはスモールオケ風の編成です。ここで聴かれる"Robbin's Nest"、 " Lean Baby"、お得意の"Bottoms Up"や”I Don't Stand a Ghost of a Chance”での演奏はジャケーのしなやかなメディアムスウィンガーへのメロディックなアプローチがきかれ好ましいですよね。そしてこのLeonard Slonevskyのカバーのイラストが最高です。NYの摩天楼の夜空をサックスを持って漂うジャケーのイラストがとても印象的ですね。
所有盤はRouletteモノラル盤で、白地にマルチカラーバーのセンターラベルです。有名盤ではないですが秘かな愛聴盤と言ったところです。