橿原市市政60周年記念「重文特別公開」があるとのことで、近鉄「大和八木」まで出かけました。
大和の国には、総国分寺として「東大寺」があるのに橿原市に「大和國分寺」があった…。
無住職の寺に重要文化財があり、地域の小網町文化財保存会で管理されている「正蓮寺大日堂」…。
「大和國分寺」
宗派 浄土宗
山号 勝満山
寺号 満法院国分寺
本尊 阿弥陀如来坐像 (脇侍 観音・勢至両菩薩坐像)
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八木町の細い路地を入ると山門 盤水と彫られた手水舎
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鐘楼 撞木 収蔵庫(十一面観音立像安置)
本堂は明治時代の小学校の前身である「培擁社」(ばいようしゃ)として使われていましたが、
H15年に焼失し、H25年再建され、未だ木の香りが漂う。
今回、特別公開された、重文の木造の「十一面観音立像」は、収蔵庫に保管されていたため難を免れた。
収蔵庫の階段を上って観音様とご対面。見事なプロポーションです。
寄木や金銅のお姿にない暖かさがあるようで…。
県文化財保存課の方の仏像の見方の、説明がありましたが、
右手に錫杖、左手に水瓶を持って方形の大盤石という台座に立つ、いわゆる長谷寺式十一面観世音菩薩ですが、
本体の一木以外の、手、足は補修され、持物の錫杖などは後附けらしい。また、当初から長谷寺様式かは不明。
頭部の十一面も、法隆寺では、九面、長谷寺様式では十面が多いとか興味のある説明を受けました。
法隆寺九面観音 本面1面と頭上に仏頂面1面、天冠台上に慈悲面、瞋怒面、牙上出面各2大笑面1の8面 計九面
国分寺十一面観音 本面1面と天冠台上に慈悲面、瞋怒面、牙上出面各3大笑面1の10面 計十一面
最後に付言された言葉が気になりました。
文化財保存と言う側面と本来の信仰対象としての「仏さま」の安置の在り方は難しい問題。
収蔵庫で鍵をかけ厳重に管理される「仏像」、蝋燭、線香もなく拝めない「仏さま」。
地域の、信徒の方達の眼にふれられる機会を作っていただけたら…と。
確かに、昨年来、仏さまや建物に油のようなものを掛ける事件が起こりました。
堂内に素のお姿で安置せず、ガラスケースや、収蔵庫に入れて管理しておけば被害に遭いませんが…。
また、最近は火災、台風、地震等の自然災害もよく発生します。
仏さまを如何にしてお守りするかが、人命を守ること共に大きな課題ですね。
正蓮寺大日堂
正蓮寺大日堂は廃寺真言宗高野山派仏起山普賢寺の本堂
普賢寺は今井を中心として南大和に勢力を張っていた浄土真宗に圧倒され、
僅かに留守居僧を置いて細々と法燈を伝えていたが、明治の廃仏毀釈により普賢寺が廃絶。
明治7年には無住となり、仏体は隣接する真宗興正派正蓮寺に合祀し、大日堂は一応売却の形。
大正8年正蓮寺より「明細帳記載漏」の故を以て脱漏編入願が提出され、大日堂も又正蓮寺の管理に帰した。
隣接する正蓮寺の名前が付いていますが、実体はお寺ではなく、行事にはお寺に導師を依頼されているとか…。
平成23年「小綱町文化財保存会」が隣接する「入鹿神社」と共に保存管理を行っておられるそうです。
境内は地元の方々が清掃、整備に努められているそうで、美しく保たれていました。
「大日堂」、「大日如来」とも国指定の重要文化財ですが、「堂内の写真撮影自由」という珍しいケースです。
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内陣 大日如来・正面 大日如来・右斜め
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厨子左扉画・蓮 厨子右扉画・蓮
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持国天 多聞天
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地蔵菩薩 弘法大師
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「ねこ涅槃図」
涅槃図に猫が画かれない諸説がありますが、
左下に「ねこ」が画かれた、珍しい涅槃図。
さらに珍しいのが、日本唯一の「入鹿神社」
蘇我氏縁のこの地域に、元は普賢寺廃寺の鎮守社であったといわれていますが、
正蓮寺大日堂と同じ境内にあります。
御神体は「蘇我入鹿」と、「蘇我氏逆臣説」により「素戔嗚尊」との合祀。
入鹿大臣・・木造座像、丈一尺 作者・年代不詳
素盞鳴尊・・木造立像、丈一尺 作者・年代不詳
小綱町の隣の曽我町には、蘇我馬子が創建した「宗我都比古神社」があり、蘇我氏の始祖を祀っている。
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