パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

興福寺中金堂柱絵展

2017年06月26日 | 日記
平成30年竣工を目指して、再建中の興福寺中金堂の主要な柱と位置付けられる
「法相柱(ほっそうちゅう)」に貼り付けられる14祖師(高僧)画の展覧会が全国巡回開催されており、
7月2日までは、奈良開催で、興福寺会館で開催されています。

「興福寺中金堂再建・法相柱柱絵完成記念 興福寺の寺宝と畠中光享展」
祖師画は高さ約10メートルにもおよぶ「法相柱」に四段に貼り上げられた後は、
間近で鑑賞することは難しくなるとのことで、大変貴重な機会なので行ってきました。
(立像画 H180・W66 座像画 H135・W86)

 
立像画は「世親菩薩」


法相柱には、鮮やかな群青の背景に、法相の教義「唯識」を
確立し発展させた十四祖師の立像と坐像とに描き分けられています。
それぞれの祖師像は、興福寺の寺宝として古くより伝わる「法相曼荼羅」の像に、
畠中画伯独自の解釈とイメージを加え、興福寺の伝統に新たな歴史を刻むに相応しい、祈りの対象となります。
会場のVTRで畠中光享画伯が、「間近で鑑賞していただけるので、1本1本の毛などを観察してほしい。」、
「古い時代にとらわれず、新しいものに流されないものを描きたいと思った。」と述べられていましたが、
群青を使ったの青の鮮やかさが祖師を際立たせ、キラキラと光る眼光と繊細な描写に崇敬の念を覚えました。


十四祖師
① 無著菩薩(むじゃくぼさつ) 印度高僧
② 世親菩薩 (せしんぼさつ)  印度高僧
③ 護法論師 (ごほうろんし) 印度高僧
④ 戒賢論師 (かいけんろんし) 印度高僧
⑤ 玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)中国高僧
⑥ 慈恩大師(じおんだいし) 中国法相宗祖
⑦ 淄州大師慧沼(ししゅうだいしえしょう)中国法相宗第二祖
⑧ 濮陽大師智周(ぼくようだいしちしゅう)中国法相宗第三祖
⑨ 玄昉僧正 (げんぼうそうじょう) 中国留学中、濮陽大師智周に師事し
                 法相唯識を請来
⑩ 善殊僧正 (ぜんしゅそうじょう)
⑪ 別当行賀 (べっとうぎょうが)
⑫ 眞與上興 (しんよじょうこう)
⑬ 権別当蔵俊(ごんべっとうぞうしゅん)
⑭ 解脱上人貞慶(げだつしょうにんじょうけい)法相宗中興祖 

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