パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

天寧寺の「諫鼓鶏」

2017年01月18日 | 日記
今年は酉年で、酉に縁の神社のことをラジオで聞きました。
何と言っても「神鶏」のお伊勢さん、奈良では「石上神社」…
珍しいのが、お寺になりますが「京都・天寧寺の鶏の石像」とのことでした。
あまり耳にしたことのない寺院でしたので、興味深々。

天寧寺
天寧寺は、南北朝時代に傑堂能勝(けつどうのうしょう)が福島県の会津に創建したのが始まり。
天正年間(1573~1592年)に天台宗松陰坊の遺跡とされる当地に移転し、
直江兼続や板倉勝重の援助で諸堂建立。
その後、天明の大火(1788年)で焼失するが、文化9年(1813年)に本堂が再建された。
また、天保14年(1842年)には書院も再建されている。

宗派 曹洞宗
本尊 釈迦如来、
山号 萬松山(ばんしょうざん)
寺号 天寧寺(てんねいじ)

 
天寧寺由来  (小さい写真をクリックすると文字拡大)

 
山門        松陰坊遺跡

  
「諫鼓(かんこ)鶏」
これが話題の太鼓の上に止まっている「諫鼓鶏」の石像
太鼓面は反時計回りの三つ巴、縁には模様がありましたが判りません。
ブログの中には、これを「灯籠」とされてる方もありましたが…。

中国の伝説上の聖天子堯、舜、禹が、その施政について諌言しようとする人民に打ち鳴らさせるために、
朝廷の門外に太鼓を設けました。これを諌鼓(かんこ)と呼びます。
しかし、善政を行ったので太鼓は鳴ることもなく永年の間に苔むし、鶏の格好の遊び場となっていた
と言います。つまり諌鼓に鶏が止まっているのは善政が行われて世の中がうまく治まっているということで、
まさに「天下泰平の象徴」であると言われています。
鶏とは、鶏鳴によって君主に善政を促し、人々を警醒する想像上の鶏とも言われています。

「閑古鳥」と、同じ読み方をする字があります。
  ①閑古鳥とは「郭公(かっこう)」の異称
  ②昔からカッコウの鳴き声は、人里離れた山の情景を思わせ、寂しいものとされたことから、
   人の訪れがなく、ひっそりと静まり返っているさま、とくに商売がはやらないさまを
   「閑古鳥が鳴く」というようになった。

この二つは逆の意味になりますが、文字の違いだけでなく、意味も全く異なるものです。
諫鼓鶏が鳴かない(太鼓が鳴らない)のは国民に不平、不満がなく善政の証し。
閑古鳥が鳴くのは、客が来ずさびれた情景の表現とでも解釈しておきましょう。



比叡山を背景にした山門は、「額縁門」と呼ばれている。

 
額縁仕様にすると…比叡山が雪化粧のため見難いですが…額縁の中から撮ると

 
     榧の大木を背にした観音堂 榧の大木(京都市天然記念物・樹高16m)
観音堂には、後水尾天皇の念持仏・聖観音像と       
後水尾天皇の中宮・東福門院の念持仏・薬師薬師如来像を祀る。

 

  
本堂                  鐘楼
本堂には、南都の春日仏師作と伝える本尊釈迦如来像を祀る。
本堂は山門を入って左手にあり、山門の正面は広く空けられています。
そのため、ちょうど正面に比叡山を眺めることができます。

 
五輪塔と九重塔          九重塔と明智光秀報恩塔
平成10年から始まった修復工事で、本堂の天井裏に隠されたていた明智光秀の位牌が見つかました。
これまで明智光秀は、このお寺にまったく縁がないと思われていただけに謎のようです…。


出雲路橋西北詰     出雲路橋西畔より川上を望む    出雲路橋西南詰


出雲路橋南から松ヶ崎西山「妙」、比叡山、如意ヶ岳(大文字山)「大」を一望


雪の大文字