『フクシマに学んだドイツの原発廃止と韓国のサウジ向け空冷式)』
―地震大国日本では原発について、フクシマ原発事故の総決算を―
人類が生存できてきた薄いベール状の気体に覆われた地球が、脱炭素社会の実現なくしては存続ができません。 現行の『核分裂エネルギー』による原発の安全と使用済み燃料保管問題の解決から、さらに開発途上の『核融合エネルギー』の原発への転換が、必要となっています。
現在の原発は、制御と安全維持に、厄介な問題を抱えています。 これを解決できるのは核融合エネルギーによる原発ですが、これも実現には別の難しい課題があります。
ドイツにはいろいろな事情・背景があるとは思いますが、この看板『追悼 3.11 福島』、とありますが、『忘れるな! 3.11 福島』の、原発廃止のキーワードと読めます。
ウエブ情報から引用
ドイツでは、日本ほど地震・津波の心配がないが、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、エネルギー政策を大きく変えました。 事故から4カ月後の2011年7月8日に、すべての原発を廃止するための法律を、議会で可決させました。
ウエブ情報下記を抜粋引用
I A E A(国際原子力機関) 2050年までの世界のエネルギー・電力・ 原子力発電予測(2020年9月)関連データ ―意欲的な見通しのケースでは、 2050年に原子力発電規模が現在の約2倍に―
(自然災害対策と使用済み燃料保管と汚染冷却水の処分が、最大の課題)
主要国のデータ (2019年)
主要国 総発電量 原子力発電量 原子力発電シェア
米国 41,948億kWh 8,094億kWh (1) 19.3%(15)
フランス 5,463億kWh 3,824億kWh (2) 70.0% (1)
中国 70,234億kWh 3,301億kWh (3) 4.7%(25)
ロシア 10,511億kWh 1,955億kWh (4) 18.6%(17)
韓国 5,552億kWh 1,388億kWh (5) 25.0%(13)
カナダ 6,285億kWh 949億kWh (6) 15.1%(21)
ウクライナ 1,410億kWh 781億kWh (7) 55.4% (2)
ドイツ 5,828億kWh 711億kWh (8) 12.2%(19)
日本 9.806億kWh 657億kWh (9) 6.7%(20)
スウェーデン 1,533億kWh 644億kWh(10) 42.0% (6)
スペイン 3,637億kWh 559億kWh(12) 21.2%(14)
英国 3,091億kWh 510億kWh(13) 16.5%(18)
ベルギー 896億kWh 414億kWh(14) 46.2% (5)
インド 15,074億kWh 407億kWh(15) 2.7%(28)
チェコ 801億kWh 286億kWh(16) 35.7%(10)
スイス 667億kWh 254億kWh(17) 38.1% (8)
フィンランド 660億kWh 229億kWh(18) 34.7%(11)
ブルガリア 393億kWh 159億kWh(19) 40.5% (7)
ハンガリー 316億kWh 154億kWh(20) 48.8% (4)
ブラジル 6,080億kWh 152億kWh(21) 2.5%(29)
現在、原子力発電シェアの極端に低い、中国・インド・ブラジルの大国が凄いスピードで原発化が進みます。 進めないと、空中の二酸化炭素削減どころか急増は避けられず、地球環境は大変な事態になります
日本では、核分裂 発電に代わって核融合発電が開発されても、現有の事故原発廃棄、使用済み燃料処理・汚染水廃棄・再稼働・現有原発寿命後廃棄等、先送り問題・課題が山済みの中で、ドイツの街中にあるような看板が日本に全く見られないことが不思議です。
福島第1原発『沸騰水型・BWR』の事故から10年を経て、2021年3月時点での日本国内で稼働している原発は9基(定期検査中のものも含む)。 いずれも、事故を起こした福島第1とはタイプが異なる『加圧水型・PWR』で、西日本に集中している。 東京電力は新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を目指しているが、今年に入って同原発での不祥事が相次いで発覚、地元の不信感は強まり、再稼働への道のりは険しくなった。
ウエブ情報から引用
倉本聰氏が言っている「原発の再稼働には絶対反対だ、原発事故の補償も復興も不十分、放射性廃棄物の処理もできないまま、苦難と戦う人たち沢山いる中で原発事故は、風化しつつある」と。
原発運転に『40年壁』は昔からあったが、『根拠薄い』との説もある。 中性子を浴びてもろくなった炉内部の構造、格納容器の上部に放射線を遮る構造がない等。40年延長説はどこから来るのか。
日本の太陽光発電コストは世界平均の2倍、陸上風力発電コストは3倍、特に太陽光発電コストは、中近東地域の6倍と言われる。 水素社会で期待の高まる水素もエネファーム内部で生成される水素の燃料は都市ガス、LPガスである。
先日、経済産業省が2030年の電源構成に関し、原子力や石炭火力などの「ベースロード電源」を全体の6割以上とする考えを示した。 このベースロード電源は、原子力・石炭火力・水力・地熱の4つ。 天然ガスや太陽光、風力発電などはベースロードではないとされる。
洋上風力発電の課題、今年3月14日の日経に『送電もワイヤレス』と、 三菱重工が実験成功、5年後の実用化も、とありました。 さらに将来、宇宙太陽光発電へと夢が広がります。
昨年3月25日の日立社のプレスリーリスで「原子炉自然冷却システムの実用化に向けた空冷技術を開発・電源を用いることなく原子炉を長時間冷却し、放射性物質の放出を抑制」とありました。
一方韓国は、今年3月3日に原発輸出をサウジと調印、これがなんとスマート原発、空冷型原発2基、将来17基の計画でした。 日本の原発は水冷式、それに比較し原発大国フランスは空冷式。 ただ空冷式といっても緊急事態の時はセーヌ川等の大河から水を取り冷却するシステムだそうです。 空冷の冷却方式は日本のような高湿度の国には向きません。 湿度が高いと蒸発が少なく気化熱が奪えないそうです。
フクシマの大変な後始末がありますが、ぜひ『災い転じて・・・』とすべく関係者にはご健闘をお願いします。 これからも『原発のことから』目が離せません。
(20210509纏め、#328)
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