静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

ベトナム再訪記 <1> ハノイ 2/2

2024-03-11 14:44:33 | 旅行
 ベトナム全土何処でもバイクは老若男女問わず大衆の足。15歳になると乗れるが、原付小型(50cc未満)に免許は不要。外国人観光客が自由に動き回るには原付バイクを借りるのが簡単だ。
中学や高校の下校時、あどけない顔の少年少女が校庭からバイクで現れる。だが、排気量は125cc が最大で18歳から免許が必要になり、それは自動車も同じ。ハノイでは見かけなかったが、ダナン・ホーチミンでは
大きな排気量の白バイが≪ねずみ捕り≫しているという。

 ガイド女性(Ly =リーさん)が語ったハナシで面白かったのは、町中を走り回るバイクが交通事故に出遭った場合、どうするのか? 此の問いに対し「軽傷で被害も小さい場合はその場で示談し解決する」との答え。
「警察を呼ぶのは重傷または死亡事故だけ」何故か?「軽い事故でも書類手続きが複雑で長くかかるし、賄賂も渡さねばならないから」と。この『賄賂』についてはダナンからの初日、ミーソン遺跡観光のガイドを務めた男性も触れており、飲酒運転の罰金(車:¥25万、バイク¥5万)でも、何と交渉可能だと言っていた。無論、幾らか握らせるのだろう。。。
  社会主義独裁と『わいろ』の関連性については多々聞くところだが、リーさんによれば高卒初任給は¥4万から、大卒は¥8万から、住込みお手伝いさんで¥4万/月というので、飲酒運転の罰金は如何にも高い。
 ≪ねずみ捕り≫に引っかかると¥3万(制限速度50% Over)ともいうから、日本と比べどれほどの重さなのか、想像するだけでも大変。ゆえに『賄賂』がはびこる?

 ベトナムで転職は少なくないが、リーさんによれば公務員や大企業では大卒が長く勤めあげると¥20万まで給与が上がる≪ 年功序列傾斜型賃金 ≫。中国同様、富の格差は甚だしいが、個人の裁量を刺激しつつ経済活性化をはかる方針だろう。 昨日の<ハノイ1/2>でも触れたが、中国の影響で儒教・仏教に加え、五行や風水・「気」を今でも尊重する風土に家族主義が強い。姑の嫁いびりはザラで、旧正月の大家族祝宴の準備などで嫁は査定を受けるのだとリーさんは言うから、ひと時代前の日本の姿だ。ところが、夫婦別姓で家族墓はなく、個人単位の土葬だというから実に不思議だ。
 土葬で興味深いのが、国父・ホーチミンの埋葬方法。ホーチミン氏は火葬を望んだが国民の反対でソ連式の化学処理をした保管となり、3〜4年サイクルで修復に時間を費やしていると聞いた。

 おしまいに、中国から伝わった風趣のひとつである動植物のシンボル化について。「ハス=健康」「菊=感謝」「鯉=成長」「トンボ=幸運」。この他にもあるのだろうが、シンボル化で自然界の生き物が生活に深く浸透している度合いは、たぶん日本人どころではあるまい。地続きで影響を受け続けたベトナムや朝鮮と、海を隔てて取捨選択できた日本の違いを改めて感じた。      < つづく >
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