静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

【続編】 元ウクライナ人をミス日本に選出後の 「~らしさ騒動」につれずれ想う

2024-01-27 08:15:04 | 時評
* 昨日は「国籍」と「人種・民族」の並存・或いは共存の観点から、本件で顕われた、日本人に強い『純血幻想と結びついた日本美意識』の介在に触れた。
  これは、大陸から離れた島国独特の孤立文化を日本人が育てた歴史、異民族との交渉・闘争の少なさが幸いして醸成された『固有意識』が如何に根強く日本人の美意識を
  支配しているか、の証左でもある。「ユニークであり古くからある、唯その一点だけでも尊い価値がある」と信じたい心情に多くの人が今も支配されている信仰でもある。
  その信仰は天皇制から神社仏閣、歴史遺跡、工芸品、文芸など全般に広く跨がり、近年は外国人観光客が放つ「独特・独自だ」の褒め言葉がそういう心情を支えている。

◎ 同じ昨日、別の角度、≪ミス~≫に潜む(Lookism における差別助長)から「もうミス日本をやめたらどうだ」という投稿も目にした。これはこれで正論だが、
  生まれてから露わになる<容貌・外見>の美的優劣判断は消せるものではない。知能・体格と同様、競争意識そのものは発展に必要であり、全廃はできない。
   <容貌を比べて順位をつけるのは倫理的・道徳的に間違っており、女性への性差別を助長するからイケナイ>という理屈は、ボデイビルディングにおけるマッチョ信仰
  にも向かうのか? あれは『男らしさ』『チカラ強さ』を競うものだが国籍や民族は無縁だろう。 然も、ボデイビルディングは女性の大会まで行われている !!
   椎野カロリーナ受賞否定派は何故、女性美にだけ「国籍・民族・文化」尊重を求める? これは男社会日本固有の性差別だ


◆ 「ミスユニバース」が開かれている。これは「ミス日本」「ミスアメリカ」「ミスフランス」のような『クニ/〜文化』の枠を超え『人類全般の美』を標榜する。   
  事実、人種・肌の色・国籍を超えた選出になっており、白人ばかりではなくアフリカ系や日本から参加した女性が何回か選ばれた。Univaersal Beauty がスローガンだ。
   それは人種差別の非難を免れる為の演出だと勘ぐる向きは昔からあるが、少なくとも評価基準のなかに『〜らしさ』『〜の遺伝子』などといった情緒美は介在しない

★ 対象が物であれ人間であろうが「美くしさを競う」こと自体を我々は否定できない。ならば得体のしれぬ『日本らしさ』『大和撫子』に拘わる御仁は、「ミスアメリカ」
 或いは「ミスフランス」コンテストで、どこまで「アメリカらしさ・フランスらしさ」が問われているかを実地にチェックされるがよい。日本と同様、郷土愛や愛国心として
 の「アメリカ万歳」「フランス万歳」は有ろう。それはどこのクニ/民族にもある。だが「アメリカらしさ/フランスらしさ」はミス**コンテストの評価基準に存在しない。
  トランプが叫ぶ<Great America Again>は即物的に強いアメリカの希求であり、「アメリカらしさを取り戻せ」ではない、と言えばわかりやすいだろうか?

  
 本件の問いは、日本を愛し、日本人になってくれた元外国人が他の日本人に勝る総合的な美を体現すると判定された事の正当性であり、彼女が「日本万歳」を唱えてくれる
 事まで否定派の貴方は否定し葬り去ろうと言うのか? である。 他民族と同様に我々の祖先は混血であり、純粋日本人など何処にも存在しない・・。
コメント
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