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日本人と日本企業が2024年に直面する「5つの大問題」  実は社会全体の危機でもある?

2024-01-02 10:52:27 | 時評
▲【ダイヤモンドオンライン】24.01.02. 秋山 進抜粋   論旨良く、且つ的確に今の日本が今年抱える根本的解決課題を纏めているので、紹介する。
<問題1:人手不足が引き起こす産業の新陳代謝> ← 新陳代謝を吉に転じられるか?(小李) 
  デジタル化は、今日のビジネス環境において避けられないトレンドである。人手不足に直面している企業にとって、デジタル技術の活用は生き残りを懸けた必要不可欠な戦略となっており、これに対応できない
  企業は一気に衰退する。その一方で、最新のデジタル技術を駆使した企業は一気に成長するだろう。このような変化があらゆる産業で進み、プレーヤーの新陳代謝が一気に進む可能性が高い。

<問題2:従業員が引き起こすAIに起因する問題多発> ← 格差不満渦巻くネット鬱憤晴らし集団にも従業員がいる(小李)
  たとえば、フェイク画像は、AI技術を使って現実には存在しない人物や出来事を非常にリアルに作り出す。偽造された画像は、一般的には政治的なプロパガンダ、詐欺、個人の名誉毀損など不正行為に利用される。
   この際、対象が政府要人や芸能人だけと考えるのは正しくない。精巧に作られた社長の偽のハラスメント動画や取引先への侮辱発言などがSNSで拡散され、会社の評判が下がることは十分にあり得る。
  また、オンライン上で社員の名をかたる者に偽情報を拡散されることもあるだろう(同様に、そのような問題行為を従業員がしてしまう可能性もある。
   そのためにはいたずらにAI技術を敬遠するのではなく、起こり得る問題を熟知した上で、政府や国際機関の作成した規制やガイドラインをしっかりと学習し、適切な利用を
  促進することが必要となる。

<問題3:労働の「聖域」の消滅> ← 男尊女卑伝統と繋がるマッチョ崇拝は経営者年代にこそ強い?(小李)
  現代の労働環境に対する社会的なコンセンサスは、過去の慣習や伝統的な価値観を超え、新たな段階に入っている。これまでは、スポーツ界や芸術分野、そしていくつかの古い業界では、過酷な労働条件や
  ハラスメント的な言動もある種の「聖域」としてしばしば見過ごされてきた。しかし2024年現在、これらの領域においても一般社会と同様に、公平で健全な労働環境の確立が強く求められるようになっている。
   また、古く遅れていると考えられていた業界においても、長時間労働や不安定な雇用形態に対する批判が強まり、労働者の権利保護や安全な職場環境の確保が重要視されている。これは、グローバル化とデジタル
  化が進む中で、従業員の幸福と生産性の向上が企業の競争力に直結するという認識に基づいている。
   この“聖域の消滅”は、今後、ベンチャー企業やコンサルティングファーム、医療関係者や個人事業主など裁量労働が基本である職種にも及ぶことになるだろう。
  ベンチャー企業にのみ長時間労働が認められていては、大企業はそのスピード感に太刀打ちできないからである(ここでは、この政策の妥当性についての議論は行わない)。
<問題4:“パンクする管理職”の増大> ← 年功序列慣習で逃げ切りたい世代が取り組めるか?(小李)
  現代のビジネス環境では、管理職の役割が以前にも増して複雑化し、負担が大きくなっている。デジタル化の推進や市場の変化への適応など、これまでとは異なるスキルや知識、リスキリングが求められており、
  このような変化に迅速に対応すること、従業員一人ひとりへのサポート、ハラスメント防止や組織内の調和を保つための努力、コンプライアンスの順守や法規制の変化に常に注意を払うことも、管理職の責任で
  あり、失敗は許されない状況である。

  これらの責任を全て担うことは、管理職にとって非常に負担が大きく、その割には「できて当たり前」で感謝もされないし、報酬も大きくは増えないから、管理職の役割を望まない人が増えているのは当然のこと
  といえよう。すでに管理職の業務は疲労困憊(こんぱい)を余儀なくされるものでしかなくなっている。企業はこの問題に対処し、管理職のサポートと業務の合理化を図らなければ、冒頭にも書いた人手不足を
  促進させることになるだろう。

<問題5:地政学・宗教問題への巻き込まれ> ← 今の経営層は、50年前囁かれた" Country Risk " 提起を知らない?(小李)
  大企業は世界中に拠点を持ち、さまざまな文化や政治的背景を持つ地域で事業を展開している。ウクライナとロシアの戦争やガザ地区の紛争など、これまでなら対岸の火事と傍観していられた出来事が企業の
  運営に直接的または間接的に影響を与えるようになっている。現在では、このような紛争によって、グループ会社の従業員が直接影響を受けたり、取引先企業が問題に巻き込まれたりすることも珍しくない。
  従業員が誘拐されたり、政府に拘束されたりするようなことも増加している。
   日本企業はこのような国際的な問題への対応にあまり慣れておらず、新たな知見と対応能力獲得のためのネットワークが必要となる。これには、事前のリスク分析、適切な危機管理計画の策定、さらには国際法や
  地域の文化、政治的感受性への理解を深めることなどが含まれる。企業は、地域の状況を精緻に分析し、その地域での事業運営や従業員の安全を確保するための戦略を立てる必要が急速に高まっているのである。

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 私は秋山氏の5つに加え、皇位継承不安を差し迫った目の前のリスクとして挙げておきたい。言うまでもなく『望まない事態が発生しないように何を準備しておくか?』
これがリスク管理であり、皇位継承で躓くと国民の象徴天皇制への信頼と好意は胡散霧消してしまうだろう。天皇制を維持するには如何なる聖域も無い、そのように右翼こそ覚悟せねば、自縄自縛なのだ。
 経済停滞で姿の見えぬ不満がくすぶり、更に悪化すれば、皇位継承トラブルは想像を超えた社会分断と社会不安を醸しだし、産業界の課題を根底から増幅させかねまい。
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