静 夜 思

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自分が大統領時代に任命した連邦最高裁判事に救われたトランプ氏     さて、アメリカ国民の良識は?

2024-07-02 13:14:17 | 時評
◎【日経】アメリカ大統領選挙2024 「米国に王はいない」 バイデン氏、最高裁判決を批判 【ワシントン=芦塚智子】  全文
 バイデン米大統領は1日、トランプ前大統領に刑事責任の一部免責を認めた連邦最高裁の判断についてホワイトハウスで声明を発表した。

 バイデン氏は「今日の判決は、大統領ができることにほとんど制限はないということを意味する」と指摘し「危険な前例だ」と批判した。
 「米国は、王はいないという理念に基づいて建国された。何者も、大統領ですらも法を超越する存在ではない」と強調。
 「(最高裁の判断により)大統領の権力は最高裁すらを含む司法に制約を受けなくなる。唯一の制限は大統領だけが自ら課すものだけになる」と警告した。

 判決により、連邦議会占拠事件を巡るトランプ氏の裁判が11月の大統領選前に開かれ、国民が何が起きたかを知ることができる可能性は非常に低くなったと指摘。
「米国民がドナルド・トランプの行為について審判を下さなくてはならない」と述べ、大統領選が国民の判断を示す機会になると訴えた。

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 とうとう心配していた状況になった。ひとくちに「大統領制」といっても世界には様々な構造の仕組みがある。アメリカのそれは韓国ともフランスとも違う。ブラジルとも違うだろう。
バイデンがいみじくも言うように、ロシアを除く欧州諸国は王制を残した国でさえ、議会とリーダーの間には常に緊張関係があり、独裁政治を防止しようとしてきた。頻繁な政権交代がその証である。
そこが日本との決定的な違いであり、日本人は猛省し、大幅な行政改革を再び断行せねばならない。

 何よりも問うべきはアメリカの大統領制の欠点の一つ、大統領による連邦最高裁判事の任命権だろう。不思議なのは、議会と行政には緊張関係がありながら、司法と行政の間には驚くほどみられない。
日本の場合、内閣の法務大臣が任命するが、議会で与野党勢力が拮抗、或いは捻じれていたら与党の好き勝手にはできない。現に、国防や安全保障に関する憲法判断を日本の最高裁は逃げるが、
他の案件ではしばしば政府の決定に反する違憲認定判決を出している。憲法裁判所を持たないのが日本の欠陥ではあるが、少なくとも総理大臣が最高裁に圧力をかけたり人事に介入はしない。

 独裁専制統治の王政を倒すことで欧州とアメリカ合衆国は発展できた。しかるに大統領という新しいKING を生み出したのなら、何と人間は愚かなのだろう!米国有権者の良識に望みを賭けたい
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