100歳つながりで・・・
100歳になっても!これからもっと幸せなひとり暮らし(KADOKAWA)~吉沢久子さん
自分が年をとってくると、本を上梓する年上の方々が少なくなってくるのは仕方がないことです。
だから、元気な年長著者の本はできるだけ読んでみたいと手に取ります。
吉沢さんのこの本は97歳のときの出版です。とても読みやすい生活エッセイです。
吉沢さんは配偶者を亡くした66歳のときからひとり暮らし。
近くに住む甥御さん夫婦、姪御さんの手助けを受けてはいますが、介護保険の申請を96歳までしていませんでした。
ちなみに、吉沢さんは介護保険の仕組みを作るのに携わった側の方です。
家事評論家、生活評論家として活躍する吉沢さんは、今年1月で100歳を迎え、最近1年間での著書出版が10冊にものぼるんだそうです。
再録があるのかもしれませんが、なんとお元気な100歳なんでしょう。
打って変わって・・・作者は14歳
さよなら、田中さん(小学館)~鈴木るりかさん
2003年10月17日生まれの鈴木るりかさん。
14歳の誕生日がこの本の初版第1刷の発行日です。
小学校の4年、5年、6年と3年連続で「12歳の文学賞」の大賞を受賞している、ベテラン^^作家です。
るりかさんは「ちょっと笑えてちょっと悲しい、そして最後に光を感じられるような作品を書きたい」と抱負を語っていますが、まさにこの『さよなら、田中さん』の連作短編はその道筋を歩いています。
使われている言葉に、幼さも逆に背伸びも気取りもありません。
作者の出自を知らないで読んだら、まるで石田衣良か重松清が書いた小学生ものみたいです。
プロフィールによると好きな作家は志賀直哉、吉村昭ですって。
私もこの2人の作家好きだけれど、14歳のときにはこのセリフ言えなかったわぁ。
将来は「本屋大賞と芥川賞を取りたい」のだそうです。
おばさんが生きているうちに、ぜひ受賞作読ませてね。