我が家のお気に入りジュンク堂。
そのPR冊子「書標(ほんのしるべ)」2005年1月号の表紙は神戸地方裁判所だ。歴史的な建物の旧館を残すために増築するのに上にガラス張りの近代的な建物を乗っけている。
昨年はこの裁判所の中で交通違反の反則金をだまし取られた人が出た。
まったく人をだます輩は場所を選ばない。誰が裁判所の中でお金をだまし取られると思うだろう。
この裁判所の中の小さな法廷を傍聴したことがある。
中学校のお母さんがたの社会見学でだった。もう10年近く前のことだ。覚醒剤取締法違反の青年の裁判だった。
腰縄で連れてこられた青年はギョッとしていた。母親に近い年齢の女性たちに一斉に見つめられたのだから。青年はホストクラブの先輩から覚醒剤を覚えさせられたらしい。背は高いけれどホストと聞いて「え~~っ」と言いたいような顔立ちだった。雰囲気もどちらかと言えばガテン系。
弁護側の証人に父親が立った。
「ある宗教の信者として、いつも子どもを連れ歩いて人の家のドアをたたいていた。経済的にも豊かじゃなかったし、息子はそんな生活から逃げ出したかったのでしょう。こんなことをしてしまった責任の一端は父親の私にもあります」
と肩を落として証言していた。
どんな求刑がされたのか記憶にないが、裁判長が君は若いし、君のことを心配してくれている人もいる。安易な方法でお金を得たり、違法なクスリに手を染める生活から脱しなさいとたしなめていた。
あとにもさきにも裁判を傍聴したのはその1回だけだけれど、小さな法廷の一つ一つから小説が一本ずつ生まれているみたいだ。
そのPR冊子「書標(ほんのしるべ)」2005年1月号の表紙は神戸地方裁判所だ。歴史的な建物の旧館を残すために増築するのに上にガラス張りの近代的な建物を乗っけている。
昨年はこの裁判所の中で交通違反の反則金をだまし取られた人が出た。
まったく人をだます輩は場所を選ばない。誰が裁判所の中でお金をだまし取られると思うだろう。
この裁判所の中の小さな法廷を傍聴したことがある。
中学校のお母さんがたの社会見学でだった。もう10年近く前のことだ。覚醒剤取締法違反の青年の裁判だった。
腰縄で連れてこられた青年はギョッとしていた。母親に近い年齢の女性たちに一斉に見つめられたのだから。青年はホストクラブの先輩から覚醒剤を覚えさせられたらしい。背は高いけれどホストと聞いて「え~~っ」と言いたいような顔立ちだった。雰囲気もどちらかと言えばガテン系。
弁護側の証人に父親が立った。
「ある宗教の信者として、いつも子どもを連れ歩いて人の家のドアをたたいていた。経済的にも豊かじゃなかったし、息子はそんな生活から逃げ出したかったのでしょう。こんなことをしてしまった責任の一端は父親の私にもあります」
と肩を落として証言していた。
どんな求刑がされたのか記憶にないが、裁判長が君は若いし、君のことを心配してくれている人もいる。安易な方法でお金を得たり、違法なクスリに手を染める生活から脱しなさいとたしなめていた。
あとにもさきにも裁判を傍聴したのはその1回だけだけれど、小さな法廷の一つ一つから小説が一本ずつ生まれているみたいだ。