昨年2度ほど俵万智さんを記事にしたとき、sohyaさんが薦めてくださった『短歌』6月号をこのお正月に読んでみた。
プーさんの鼻というタイトルの新作の歌101首と万智さんに関連する記事が何本か載っている。
万智さんは一昨年母親になって、大鉱脈を掘り当ててしまったのではないかと思う。今までも恋やら、教え子やら、不倫やらの歌にフィクションも混じえていますと言ってきている万智さんだが、身ごもってから、出産、育児の歌は、まず実体験がなければ詠めない。
いいな~、いいな~と読んだ歌の中から数首取り上げてみた。
ぽんと腹をたたけばムニュと蹴りかえす なーに思っているんだか、夏
娘がお腹にいるとき、湯舟に入るとグルン、ゴロンとまるで寝返りをうつみたいに動いた。その様子が目でも見えるし、身体でも感じられる。うれしい体験だ。でも今思うに、お腹の中で赤ちゃんは気持ちよかったんだろうか。
どこまでも歩けそうなる皮の靴いるけどいないパパから届く
この次の歌で、万智さんはいるけどいないパパともう会わないと決めている。このパパと子どもとの関わりは切るわけにはいかないからいずれ歌になるのだろう。
薄き舌を木の葉のようにふるわせてアングリボーイ泣きやまぬ午後
そういえば赤ちゃんってまるでコオロギが羽をこすり合わせるように舌をふるわせて泣くことがある。こうやって客観的に見つめることができたらオロオロしなくてすんだのに。
おさなごの指を押さえてこの淡き小さき世界のふち切り落とす
101首の中で唯一、とっさに意味をとらえられなかった。爪を切っているのね。私は小さなハサミを使ってた。
生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり
101首のタイトルにもなった歌。何だかんだ言っても赤ちゃんに、ぬいぐるみは必需品だ。
昨日すこし今日もう少しみどりごはもこむくもこむく前へ進めり
もこむくもこむくか。はいはいも各人各様、娘の場合はずぅり、ずぅりと進んでいたっけ。
俵万智さん、ことばをこんなに素敵に紡ぐことのできる人に憧れる。
プーさんの鼻というタイトルの新作の歌101首と万智さんに関連する記事が何本か載っている。
万智さんは一昨年母親になって、大鉱脈を掘り当ててしまったのではないかと思う。今までも恋やら、教え子やら、不倫やらの歌にフィクションも混じえていますと言ってきている万智さんだが、身ごもってから、出産、育児の歌は、まず実体験がなければ詠めない。
いいな~、いいな~と読んだ歌の中から数首取り上げてみた。
ぽんと腹をたたけばムニュと蹴りかえす なーに思っているんだか、夏
娘がお腹にいるとき、湯舟に入るとグルン、ゴロンとまるで寝返りをうつみたいに動いた。その様子が目でも見えるし、身体でも感じられる。うれしい体験だ。でも今思うに、お腹の中で赤ちゃんは気持ちよかったんだろうか。
どこまでも歩けそうなる皮の靴いるけどいないパパから届く
この次の歌で、万智さんはいるけどいないパパともう会わないと決めている。このパパと子どもとの関わりは切るわけにはいかないからいずれ歌になるのだろう。
薄き舌を木の葉のようにふるわせてアングリボーイ泣きやまぬ午後
そういえば赤ちゃんってまるでコオロギが羽をこすり合わせるように舌をふるわせて泣くことがある。こうやって客観的に見つめることができたらオロオロしなくてすんだのに。
おさなごの指を押さえてこの淡き小さき世界のふち切り落とす
101首の中で唯一、とっさに意味をとらえられなかった。爪を切っているのね。私は小さなハサミを使ってた。
生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり
101首のタイトルにもなった歌。何だかんだ言っても赤ちゃんに、ぬいぐるみは必需品だ。
昨日すこし今日もう少しみどりごはもこむくもこむく前へ進めり
もこむくもこむくか。はいはいも各人各様、娘の場合はずぅり、ずぅりと進んでいたっけ。
俵万智さん、ことばをこんなに素敵に紡ぐことのできる人に憧れる。